九州大学箱崎キャンパス跡地(福岡市東区)の開発を手がける民間事業者に、住友商事やJR九州などのグループが選ばれた。九大などが18日、発表した。次世代の光技術によるスマートシティーをめざし、その研究拠点や食をテーマとした国内最大級の施設などを設ける計画だ。

 再開発の全体規模は約50ヘクタール。都市部で更地から整備できる土地としては、全国でも異例の規模だ。そのうち約28.5ヘクタールについて、土地を所有する九大と都市再生機構(UR)が開発事業者を募っていた。

 選ばれたのは住友商事を代表者に、JR九州、西日本鉄道、西部ガス、西日本新聞社、清水建設、大和ハウス工業、東急不動産の8社で構成するグループ。土地の購入価格は371億7800万円だ。

 公表された計画案は、「箱崎グリーン・イノベーション・キャンパス」として「世界を牽引(けんいん)する未来のまちづくりの実現」をコンセプトに掲げる。NTTを中心に開発が進む、光技術を使った省電力・大容量の次世代通信基盤「IOWN(アイオン)構想」をいかし、移動や健康管理などの様々なスマートサービスを提供する。

 こうした技術革新の拠点「イノベーションコア」は跡地中心部に整備し、生命科学を研究する拠点「ライフサイエンスパーク」や、IOWN構想の研究拠点もつくる。

 交流・にぎわいの場として、福岡・九州の食をテーマにした「日本最大級のエンターテインメント交流拠点」も設ける。

 そのほか、分譲住宅2千戸など宅地の整備や、地域の総合病院の移転拡張も計画。九大の歴史の継承やグローバル人材育成を掲げ、インターナショナルスクールなど教育機関も集積させる。