今年の新社会人は飲み会に不慣れなのでは――。そんな懸念から千葉興業銀行(本店・千葉市美浜区)は26日、新入行員向けに「酒席でのビジネスマナー講座」を開いた。新入行員65人がパッチテストで自分の体質を確かめたり、お酒のつぎ方などを学んだりした。

 今年の新入行員は、大学生活の大半をコロナ下で過ごし、大人数での飲み会の経験が乏しい。だが銀行員は、酒席などを通じて顧客との関係を築くことが重要になるため、同行として初めて開催したという。

 講座を主催した井上宏人人事部長は昨年10月、内定式後の懇親会で衝撃を受けたという。頭取のグラスが空いても誰もつぎ足す人がいなかったからだ。井上氏は「彼らが悪いわけではなく、経験が少ないから仕方がない。ただ、我々は生身のお客様とやりとりする銀行員。お客様と酒席をもった時に困らないよう、マナーや知識を身につけてもらいたい」と思いを語った。

 講師は、お酒の飲み方の研修を行うビール大手のサッポロホールディングスから招いた。お酒を飲めない人がいる時に、ノンアルコールドリンクなどを用意しないことも「アルコールハラスメント」になることなどが紹介された。

 講習に参加した新入行員の小山恭代さん(22)は「お酒は好きだけど、飲める程度は人それぞれ。お酒を楽しむ場ではなく、コミュニケーションをとる場として臨んでいきたい」と話した。(若井琢水)