京都府南山城村消防団の任命式が7日に村文化会館であり、69年をかぞえる村の歴史で初めて女性団員が誕生した。

 ことしは6人の新入団があった。平沼和彦村長(72)は「一日も早く、伝統ある南山城村消防団の一員として任務を遂行できるよう、先輩団員とともに研鑽(けんさん)に励まれることを期待する」と激励した。

 大学生の柴垣(しばがき)歩乃(ほの)さん(19)は「もっと村のことを知りたい」と考えて入った。行政保健師をめざしていて、いったん村の外で仕事に就いて経験を積み、それから帰郷して働くことを思い描いている。「関わりすぎず希薄でもなくと人間関係がちょうどよく、人工の光がなくなる静かな夜が好き」という村を消防団員としてまわることは将来きっと役に立つと考えている。

 柴垣紀行団長(54)は「地域コミュニティーの一角を担ってほしい」と期待をよせる。村民の生命・財産を守るための厳しい訓練をこなしつつ、消防団の魅力を同世代に伝える情報発信役になってほしいと願っている。

 南山城村は1955年4月1日に大河原村と高山村が合併してできた。平沼村長が若かったころは希望者が多すぎて入団を断っていたという消防団だが、今はなり手不足が悩みだ。条例定数は200人だが昨年度の実員は136人だった。(下地毅)