春の大型連休を前に、富士山北側のふもとの河口湖と5合目を結ぶ有料道路「富士スバルライン」の全線開通が見通せない状況が続いている。4合目付近で流れ込んだ土砂が道路をふさぐなどし、復旧作業が終わらないためだ。管理する山梨県は大型連休前の開通を目指しているが流動的だ。

 県によると、スバルラインは例年4月20日前後に全線が開通している。昨年は過去10年で最も早い4月11日だった。今年は積雪による全線通行止めが3月2日に解除され、積雪と除雪を繰り返しながら4月初めには4合目まで通行できた。

 ところが9日、4合目の大沢駐車場の手前にあるヘアピンカーブに大量の土砂が流れ込んだことが確認された。幅約9メートルの道路が約80メートルにわたりふさがれ、土砂の流量は1100立方メートルと推定された。この日は天候不良のために現地は通行止めとなっていた。人や車の被害はなかった。

 駐車場に土砂は流入しなかったが、付近に設置された落石防止ネット(約800平方メートル)が破損。土砂や雪が駐車場に流れ込むのを防ぐ堤防「導流堤」も6基のうち3基が壊れた。