愛媛、高知で最大震度6弱を観測した17日夜の地震を受け、政府の地震調査委員会は18日、臨時会を開いた。南海トラフ地震への影響について「発生の可能性が相対的に高まったと考えられる変化は観測されていない」と評価した。

 今回の地震の震源は、愛媛県と大分県に挟まれた豊後水道で、南海トラフ地震の想定震源域内に当てはまる。ただ今回、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.6と、南海トラフ地震の可能性が高まったか検討に入る基準は満たさなかった。平田直・委員長は臨時会後の会見で「今回は巨大地震の発生の可能性を調査する段階には達していない」と述べた。その上で、「とはいえ、大前提として南海トラフの巨大地震は、いつ起きてもおかしくない状態には変わらないことを思いだし、備えてほしい」と話した。

 今年に入り能登半島地震をはじめ、千葉県東方沖の地震など、「地震が続く」と感じている人が一定数いることを問われると「地震の数を見ていると、非常に多いということはない。強い揺れを感じた人が多く、感覚的には私も皆さんと同じだが、この程度の地震が起きることは普通にあると認識してほしい」と呼びかけた。(川原千夏子、矢田文)