栃木県那須町の河川敷で男女2人の焼損した遺体が見つかった事件で、事件発覚の約7時間前、男女が犯行グループとみられる2人組と東京都品川区内の住宅で接触していたことが捜査関係者への取材で分かった。この住宅のガレージからは血痕が見つかり、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は住宅で暴行されたとみて調べている。

 捜査本部は24日、死亡した女性について会社役員の宝島龍太郎さん(55)の妻の幸子さん(56)=東京都千代田区=と判明したと発表した。

 捜査関係者によると、宝島さん夫妻は15日午後9時半ごろ、東京・上野で知人男性と歩く姿が防犯カメラに映っていた。その後、知人男性が借りたレンタカーに乗り、午後11時ごろに夫妻と別の知人男性の計4人が品川区東品川に到着。30分後に再び車が出発し、夫妻は同区内の住宅を訪れていた。

 一方、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=は15日午後9時半ごろ、自分の車で品川区内のコンビニエンスストアを訪れ、2人組と合流。平山容疑者は徒歩で立ち去り、車は午後11時半ごろコンビニを出るのが防犯カメラに映っていた。

 平山容疑者の車もこの後、宝島さんらが訪れた住宅周辺を走っているのが防犯カメラで確認され、30分後の16日午前0時ごろに夫妻と合流したとみられるという。車はその後、栃木県に向かった。車は18日に押収され、車内の後部座席やトランクに幸子さんの血痕や免許証のほか、結束バンド、粘着テープが見つかった。

 捜査本部は宝島さんらと犯行グループがこの住宅で接触し、何らかのトラブルがあったとみて、24日までに住宅を現場検証した。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)