能登半島地震の被災地で屋根瓦の工事に関する悪質な便乗商法が相次いでいることを受け、石川県瓦工事協同組合は19日、金沢市の「イオンタウン金沢示野」で注意を呼びかける啓発活動を行った。同組合の会員10人が悪質な業者の手口などを説明したチラシを配った。

 県内42業者が加盟する同組合によると、能登半島地震の被災地では、瓦が壊れていない家の屋根に勝手に登って「修理が必要だ」などと虚偽の被害を伝えたり、一般的な修理代より高額な工事費で契約しようとしたりする手口で被災者をだます業者が後を絶たないという。

 同組合に加盟する業者は、風雪や揺れに強い「ガイドライン工法」という施工方法で修理を請け負っている。ただ、多い業者だと1千件を超す修理の依頼が入っているため、本格的な修理の着手まで2年近くかかることもある。

 それでも、修理の前に厚地のブルーシートで応急措置を施すなどして安全を確保するといい、谷口研人青年部長は「『すぐに直る』などと持ちかけてくる業者は疑ったほうがよい」と訴える。

 屋根瓦の修理に関するトラブルは、東日本大震災などの被災地でも相次いだ。天池満理事長は「まずは信頼できる業者に修理を依頼することが重要。万が一、契約してしまった場合はクーリングオフをしてほしい」などと話した。(安田琢典)