離乳食期の乳幼児を対象にした、こども食堂ならぬ「赤ちゃん食堂」と名付けた催しが27日、徳島市沖浜町の沖浜シーズ認定こども園を会場に開かれた。近年、全国で同様のイベントが広がっている。

 NPO法人徳島の子育てに伴走する会マチノワ、同園、県助産師会の3者が連携する「妊婦・親子・地域がつながる居場所事業」の一環。相談相手がいなくて孤独感を感じながら子育てをしている親同士が集い、悩みを打ち明けあう場として企画された。育児に追われて自分の食事もままならない親にゆっくり食事をしてもらう狙いもある。

 初回のこの日は園外の5組の親子が参加。8〜12カ月の子どもたちはにゅうめんやカボチャの煮物といった離乳食を、親は似たメニューの食事をそれぞれ楽しんだ。親たちは食事の合間に「うちの子はなかなか食べなくて」「手軽に栄養を取れるレシピを教えて」と和気あいあいと話をしたり、園の保育士に相談をしたりしていた。

 9カ月の長女を連れて参加した徳島市の南賀由紀さん(33)は「ほぼ同じ月齢の子の食べるスピードとか量とかを知ることができ、いい機会になった」と話していた。

 催しに立ち会ったマチノワの白桃さと美理事長(37)は「こども食堂は普及しているが、育児で一番つらい時期の離乳食を提供するところは少ない。赤ちゃん食堂が広がればうれしい」と話した。同園の林弘祥・統括園長(40)は「こういう場所があることで、徳島で子育てをしたいと思う人が増えれば」と語った。

 8、10、12月、来年2月にも同園やグループの別園で開催予定で、ホームページやSNSで参加者を募る。独立行政法人福祉医療機構の助成金を活用しており、参加無料。園はその先の開催も検討している。(東孝司)