川崎重工業が海上自衛隊の潜水艦乗組員らに対し、下請け企業との架空取引で捻出した裏金を使って物品や飲食代を負担していたとされる問題で、裏金作りは約20年前から始まった疑いのあることが関係者への取材でわかった。数年前からは下請け6社を通じて年間1億数千万円を捻出していたといい、大阪国税局が詰めの調査を進めている。

 川重が建造した海自の潜水艦は12隻あり、同社の神戸工場(神戸市中央区)の造船所では修繕部が定期的に修理などを行っている。

 関係者によると、修繕部は下請け企業に架空取引への協力を求め、支払った代金を下請け側にプールさせていたとされる。そうした裏金作りについて、川重側は約20年前から始まったと国税局に説明しているという。潜水艦の幹部自衛官から一般の乗組員まで多数の海自隊員に物品や商品券を購入して渡したり、飲食接待したりするために裏金が使われていたとみられる。