自民党派閥の裏金事件を受けて解散を決めた宏池会(岸田派)は、来月7日にも東京・永田町の派閥事務所で「解散式」を開く方向で調整している。会長だった岸田文雄首相や座長の林芳正官房長官らが出席する予定。

 事務総長の根本匠・元厚生労働相が21日、首相官邸で首相と面会。解散式についても相談したとみられる。

 事務所内には故・宮沢喜一元首相の直筆の書「宏池会」が掲げられている。派閥関係者によると、解散式では首相が額に納められたこの書を外すことを検討している。書は保管予定で、「いつか宏池会の意思を継ぐ政策集団ができれば、また掲げてもいい」とする。

 事務局によると、事務所の明け渡しに向けた原状回復工事は来月中旬に始まり、約1カ月を見込む。8月上旬ごろに政治団体の解散届を総務省に提出する予定だという。

 宏池会は自民党で最も古い歴史を持つ派閥で、1957年に池田勇人氏が創設した。池田、大平正芳、鈴木善幸、宮沢の各首相を輩出。岸田氏が5人目の首相で、30年ぶりの宏池会政権が誕生した。

 裏金事件をめぐり、岸田派にも約3千万円の政治資金収支報告書への不記載が発覚。首相は今年1月、宏池会を解散すると表明した。(佐藤瑞季)