国連人口基金(UNFPA)は17日、「世界人口白書」を発表し、アフリカの女性が妊娠や出産時の合併症で死亡する確率が、欧米諸国の女性の130倍になるとの推計を明らかにした。人種の違いや貧困などから生じる女性の健康をめぐる格差を問題点として指摘している。

 UNFPAは1978年から毎年、白書を発行している。今年の白書は、女性が自分の体に関する決定を自身で選ぶ「性と生殖に関する健康と権利」をめぐる不平等に焦点を当てた。

 性や出産に関連する女性の健康の全体状況については過去約30年で大幅な改善があったと強調。90年から2021年にかけて、最新の避妊法を使う女性の数が倍増したことや、20年の世界の妊産婦死亡率が00年に比べて34%減少したこと、10代の少女の出産が00年以来3分の1減ったことなどを具体例に挙げた。