中国軍南部戦区は17日、ミャンマーとの国境付近で実弾演習を始めると発表した。ミャンマー国内では少数民族武装勢力と国軍の衝突が激化し、国軍側が国境付近の要衝などを相次ぎ失う事態になっている。経済的にも関わりが深い中国が警戒度を上げているもようだ。

 ミャンマー北東部シャン州の中国国境周辺では、昨秋から国軍と地元の少数民族武装勢力の衝突が激化。中国の陸軍部隊は昨年11月、国境付近で実戦訓練をすると同時に、政府として双方の停戦仲介に乗り出した。

■春から戦闘激化、相次ぐ演習

 今年に入りシャン州の戦闘は収まったが、他の国境地帯では様々な武装勢力が攻勢に。中国と国境を接する北部カチン州では、3月から「カチン独立軍(KIA)」が国軍への攻撃を強め、今月上旬には国境貿易の拠点ルウェジェを奪ったと現地メディアが報じた。東部カレン州でも今月、「カレン民族同盟(KNU)」が国軍への攻撃の末、タイ国境の要衝ミャワディを制圧した。国軍は戦線の拡大に対応しきれず、要衝を相次ぎ失っている。