ロシアに融和的な姿勢をとるハンガリーのオルバン首相は2日、ロシアのウクライナ侵攻後初めて、ウクライナを訪問し、首都キーウでゼレンスキー大統領と会談した。オルバン氏はゼレンスキー氏との共同記者会見で、ロシアとの和平交渉を加速させるため、迅速な停戦を検討するよう促したことを明らかにした。

 ハンガリーはこれまでウクライナへの軍事支援を拒否し、同国が申請する欧州連合(EU)加盟交渉にも難色を示してきた。オルバン氏は会見でゼレンスキー氏の和平実現への取り組みを評価する一方、今のままではその実現に時間がかかるとして、停戦による和平交渉の加速を提案した。

 ゼレンスキー氏は、オルバン氏の訪問が「ウクライナや欧州全体に『公正な平和』をもたらすことがいかに重要かを示している」と強調。両者は貿易やエネルギー、人道支援について協議し、ハンガリー国内にウクライナ人向けの学校を開くことで合意したという。