香川県は19日、クラウドサービスなどを手がける「ハイレゾ」(東京都)が、AI開発用のGPU専用データセンターを県内に2拠点設置することが決まったと発表した。投資総額は約200億円規模で、県は「近年にはない投資規模」としている。

 GPUとは、高性能の画像処理装置のことで、AIなどの開発に欠かせない最先端機器だ。生成AIに注目が集まっており、今後の需要も見込めることなどから、各地の自治体がGPU専用のデータセンター誘致に取り組んでいる。

 県企業立地推進課によると、GPU専用のデータセンターの誘致は、四国で初めて。

 拠点は、綾川町の旧綾上中学校と、高松市林町の共同研究施設「RISTかがわ」を予定している。それぞれGPUサーバーを100台ずつ設置し、今年10月以降の稼働を目指すという。

 今回の事業の投資総額は約200億円。このうち、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が77億円、県が10億円の助成金をそれぞれ出す見通し。

 県によると、誘致に伴い、GPUサーバーにかかる固定資産税により、10年間で計6億円増収になるほか、雇用創出の効果も見込めるという。

 今後さらに詳細をつめて、5月7日に正式な協定を締結する見通し。

 誘致決定を受け、池田豊人知事は「データセンターの設置を契機に、DX(デジタル化)関連の企業活動や研究開発が県内でさらに展開されるよう引き続き取り組む」とのコメントを出した。(山田健悟)