高知新港(高知市仁井田)に寄港する大型外国客船が、うなぎのぼりに増えている。今年度は4月25日現在で51隻の予定が入り、過去最多を上回る勢いだ。インバウンド(訪日外国人客)の増加を見込み、高知市では着物レンタル店が開店した。

 着物での散策や日本文化を体験できる「和の文化発信基地aiiro(あいいろ)」。4月19日、高知市南はりまや町1丁目に本格オープンした。

 新たに2階建ての店を構え、レンタル着物を十数着用意。茶の湯などの和文化体験もできる。

 経営する呉服店「いしはら」の代表取締役の石原文子さん(61)は、黒潮町の「じぃんず工房大方」とコラボし、デニム着物を開発するなどしてきたが、本業はコロナ禍で打撃を受けた。

 新規事業に乗り出すきっかけは、大型外国客船の寄港増加を含めた訪日外国人客の回復だった。

 高知新港を管理する高知県によると、大型外国客船の寄港はコロナ禍が一服した2022年度の7隻から、23年度は53隻まで急増し、過去最多となった。

 一時上陸した外国客船の客の多くは、はりまや橋観光バスターミナルでバスを下車し、市内観光に向かう。石原さんはそんな姿を見て、外国人客にも着物姿でそぞろ歩きを楽しんでもらおうと考えた。

 着物レンタル料は午前10時〜午後5時で8千円(税込み)。不定休。問い合わせはaiiro(088・880・0047)。

 今年度の大型外国客船の寄港は、乗客定員5千人台から数百人台までさまざま。初寄港は、4月24日のロイヤル・プリンセス(乗客定員3560人)、10月5日のアドラ・マジック・シティ(同5246人)、同月24日のノールダム(同1924人)などを予定する。(亀岡龍太)