SNSを通じて投資を勧められる詐欺の被害者が滋賀県内で急増している。1〜3月の3カ月で比べると、今年は昨年に比べ約6倍。だまされたことに、なかなか気づかず、被害額が多くなる傾向もある。

 警察は「SNS型投資・ロマンス詐欺」として統計を取る。両方ともインスタグラム、LINE、フェイスブック、マッチングアプリなどで相手と知り合う。

 SNS型投資では、インスタグラムなどに表示された有名人や経済アナリストの広告をタップしたり、LINEの「初心者向け投資学習グループ」などに招待され「絶対にもうかる」などと勧められたりすることが、被害に遭うきっかけになる。

 相手に言われてインストールしたアプリ上では、投資して利益が出ているように表示される。しかし、出金しようとしたら、手数料や保証金などを求められ、出金できない。

 ロマンス詐欺では、相手から「結婚した後の生活費」などとしてお金をだまし取られることもある。

 1〜3月の3カ月間の被害件数を比べると、昨年は11件だったが、今年は72件と急増。昨年1年間に111件の被害があり、被害総額は約11億5500万円にのぼった。1件あたりの平均被害額は約1千万円だ。

 被害者の年代も20〜80代と幅広い。会社員に加え、経営コンサルタントや看護師など収入が安定している人が多いことも特徴だ。

 県警生活安全企画課は「SNSやマッチングアプリでの投資がらみの出会いは、自らの意思でタップするので、だまされたことに気づきにくい。数カ月にわたり、何度も送金してしまうことがある。詐欺なので絶対に送金しないで」と呼びかけている。(鈴木洋和)