三重県多気町の商業リゾート施設「VISON」で16日、「第2回世界料理学会 in VISON」があった。全国の料理関係者や一般参加者ら計約250人が集まり、料理観や技術論を語り合った。

 和食やフレンチといった垣根を越えて、シェフらが食材などの情報交換と勉強を進めようと始まり、2022年11月以来の開催。

 講演では、「日本料理 銭屋」(金沢市)を営む高木慎一朗さんが、米ニューヨークの総領事公邸で和食を担当した経験などをもとに「海外では、食器を指定されたり現地の食材使用を求められたりと様々な条件がつく。その中で最高のパフォーマンスを尽くすのがプロ」と説明。「すしや天ぷらがソロ演奏なら、懐石料理はオペラ。シェフは総合的なコーディネート役」と結んだ。

 16年の伊勢志摩サミットで乾杯酒として提供された「作(ざく)」で知られる清水清三郎商店(鈴鹿市)の清水慎一郎社長は、伊勢神宮と日本酒の歴史的なかかわりなどを解説し、「三重県は美食の聖地」と強調した。

 また、地元野菜などの生産者を交えた座談会もあり、参加した県立相可高校食物調理科の生徒らも熱心に聴き入っていた。(本井宏人)