大阪・梅田の映画館「シネ・リーブル梅田」が19日、名前を「テアトル梅田」に変え、改装オープンする。テアトル梅田は、関西のミニシアター文化を先導し、2022年に惜しまれつつ閉館した。その名前を復活させ、映画文化の発信拠点として再出発する。

 JR大阪駅北側にある梅田スカイビルの3〜4階。4スクリーン計443席は変わらないが、内装を一新した。壁は黒で統一し、4階のロビーに新たにカフェや短編作品を無料上映するスペースを設けた。3階には旧テアトルの外壁を飾っていた「THEATRE UMEDA」のネオンサインを移設した。

 旧テアトルは1990年4月19日、阪急大阪梅田駅の東側、茶屋町エリアの梅田ロフト地下1階に開館。インディーズ系やドキュメンタリーなど幅広い映画を上映し、ファンに愛された。32年の歴史に幕を下ろした後は、同じ系列のシネ・リーブル梅田が上映ラインアップを引き継いでいた。

 改装オープンの日は、旧テアトルの開館日とそろえた。旧テアトルでも営業担当だった滝川佳典さん(59)は「『テアトル梅田』の復活を喜ぶ声は多く、名前の重みを感じる。ホラーから文芸作品まで、これまで以上にジャンルも国も様々な映画を扱う。舞台あいさつやサイン会なども企画し、映画の色んな楽しみ方を提供したい」と話す。

 再出発を記念し、「テアトル梅田レトロスペクティブ」と題し、旧テアトル時代に人気があった「アメリ」「トレインスポッティング」「この世界の片隅に」など8作品を特集上映する。5月2日まで。詳細は公式ウェブサイト(https://ttcg.jp/ttcg_umeda/)で。(近藤咲子)