富山名物の「昆布じめ」を通じ、能登半島地震の被災地を応援しようと、富山県魚津市の食品メーカーが復興支援セットを販売している。地震の影響で出荷できなくなった石川県七尾産の魚を使用。売り上げの一部を義援金として被災地に送るという。

 魚介の刺し身を昆布に挟んだ郷土食で知られる、かねみつ(金三津貴子代表)は4月、「海の幸 昆布じめセット」(税込み5400円)を発売した。クルマダイやヤリイカなど6種類の昆布じめの詰め合わせの一つに、七尾市の水産会社のスズキを使う。

 同社の復興支援企画としては第2弾となる。元日の地震後、社員から「被災した人たちのために何かできないか」という声が上がったという。1月下旬に、1セットの売り上げにつき1千円を義援金にあてる商品を発売した。「買うことで支援できるなら」といった反響が県内外からあり、販売も好調だったという。

 次の支援策を考えていたところ、福井市の卸売市場で水産物を扱う会社から「地震の影響で出荷するあてがなくなったスズキを使わないか」と打診があった。第2弾の商品に採り入れて500セット限定で販売中。第1弾と同じく売り上げから義援金を送る。

 営業部長の河崎直純さんは「買ってくださるお客さんの気持ちも(被災地に)届けられたら」と話す。購入は同社の直売所かウェブサイト(https://kanemitu.co.jp)で。(佐藤美千代)