壇ノ浦の戦いで敗れ、平家一門とともに幼くして関門海峡に入水した安徳天皇をしのぶ「先帝祭」が3日、山口県下関市の赤間神宮であった。見せ場の「上﨟(じょうろう)参拝」では、花形の太夫を務めた5人の女性たちが、「外八文字」と呼ばれる独特の足の運びで拝殿まで歩いた。

 上﨟参拝は、女官として仕えた女性が安徳天皇の命日に参拝を続けたという言い伝えにちなむ。拝殿周辺では、豪華な衣装に身を包んだ太夫たちを撮影しようと、詰めかけた大勢の観光客らが盛んにシャッターを切っていた。

 5人の太夫のうち先頭の「振袖(ふりそで)太夫」を務めた市村美冬さん(19)は九州工業大学の2年生。「緊張したけれどコツコツと練習したおかげで堂々とした外八文字を見せられたと思う」。出来栄えの自己評価は「100点満点です」と笑顔を見せた。

 また上﨟参拝に先立って太夫たちが市内を練り歩く「上﨟道中」も披露され、沿道の観客らから盛んな拍手を浴びていた。

 最終日の4日午前11時からは巌流島で宮本武蔵・佐々木小次郎の決闘再現や、関門大綱引きなどがある「巌流島フェスティバル」も予定されている(白石昌幸)