昨年に閉校した和歌山市立安原小学校吉原分校で4日、木造校舎の保存や活用を模索する市民グループが校庭を開放し、親子で楽しめる催しを開いた。

 市は校舎を取り壊す方針を示しており、精神科医の伊良波範子さんを中心にした市民グループは、今秋までに活用案を提案することをめざしている。

 催しは、地元の人と交流したり、グループの活動を広く知ってもらったりするために、市の許可を得て開催。バスケットボールコートほどの広さの校庭で、親子連れらが、和太鼓の体験や木のペンダントを作る工作を楽しんだ。

 分校の卒業生の柏木利洋さん(59)は「企画があればこんなに人が来る。みんなが集まれる場所として有効活用してほしい」。2人の子どもを連れてきた卒業生の女性(45)は「理科の授業で裏山に行ったこともあって、自由な学校だった。自分の子どもも通わせたかった」と話した。伊良波さんらは今後も活動の賛同者を募っていくという。(榊原織和)