宇都宮市の佐藤栄一市長は24日、定例会見を行い、今年秋に予定される市長選に出馬するかどうかについて、「様々な方の意見をいただき、決断をするべき時期にしたい」と述べた。

 佐藤市長は現在5期目。今年11月に任期満了を迎えるが、これまで進退を明らかにしていない。今年秋には知事選も予定されている。市長選と同日選になる可能性もある。

 佐藤市長は「注目されているのは知事選だ。その前に衆院解散があれば国政選挙になる」と指摘。そのうえで、自身の進退表明の時期が「あまりに遅いと、市長選も周りでいろんな方が関係するので困ってしまっては大変だ」と述べ、適切な時期に意思表示をしたいと強調した。

 直近の過去4回の市長選は、市議会の質疑で出馬を表明している。最も遅い例で5回目の当選を決めた2020年の9月議会、3選と4選をした12年と16年はいずれも6月議会での表明だった。

 一方、知事選をめぐっては、現在5期目の福田富一知事の続投を支持する考えをにじませた。

 福田知事の後援会は3月、6選を目指して立候補することを知事本人に対して要請した。

 これに関して、「知事の実績の評価の表れだ。他に知事が務まる方がいないことの表れではないか。(知事になるべき人は)なりたい人ではなくて、やってもらいたい人だ」と述べた。

 さらに、福田県政の5期の評価を「市町重視で、我々とも意見交換をし、要望もよく受け入れていただいた。風通しの良い県政だった。これからも継続することが栃木県の力になる」と話した。

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 福田富一知事は24日の定例会見で、次期知事選について「後進に道をあけるのも年長者のつとめ。5期満了は節目と言い続けてきた」と語り、今期限りの勇退も選択肢に入っていたことを明らかにした。福田知事は後援会組織から6期目の立候補要請を受けているが、現在の姿勢は「ニュートラル」と説明。勇退については「今も、そういう考え方も持っている」としながらも、引き続き立候補するかどうかの検討を進めていく姿勢を示した。(山下龍一、石原剛文)