三重県志摩市の県立水産高校で今年度の第1次長期航海実習が始まり、生徒らを乗せた実習船「しろちどり」(4代目)が24日、同校近くの岸壁から出港した。しろちどりは老朽化で昨年度引退した3代目の後継船で、これが初航海。日本近海の太平洋で実習をし、5月20日に帰港する予定だ。

 しろちどりは全長62メートル、幅9・4メートル。年4回の長期航海実習で、船の運航やエンジン整備、カツオの一本釣りなどの技術の習得に活用される。

 今回参加する生徒は航海士や機関士などをめざす海洋・機関科、漁業専攻科、機関専攻科の男女40人。指導教官と船員も乗船し、小笠原諸島付近などでカツオの一本釣りや海洋調査などを行う。寄港する東京や静岡県焼津市の見学もする予定だ。

 出発前の式典で実習生を代表してあいさつした川瀬斗嵐(とらん)さん(16)は「互いに協力し合い、励まし合って、航海を乗り越えていきたい。必ず成長して帰ってくるぞー!」と元気よく宣言。しろちどりは保護者や教職員、ほかの在校生らに見送られて出港した。(佐藤孝之)