和歌山大学の学生が企画した2種類の手帳が商品化された。テーマは「留学」「部活」。ともに学生生活に根ざした視点が形になった。

 経済学部・柳到亨教授のゼミ生は「留学DIARY」を企画。現在4年生の木村満厘さん、池中唯人さん、天野優音さんがアイデアを出した。

 高校時代、オーストラリアに留学した際にホームシックになってしまった木村さん。「留学する前にあらかじめ、家族や友達の励ましの言葉をもらっておけばよかった」との思いから、「留学前」「留学中」「留学後」のページを設けるなど工夫を凝らした。

 観光学部・佐野楓准教授のゼミ生、上田百葉さん、大木美礼亜さん、蓑田悠翔さん、山本萌永さんの4年生4人は、部活の目標などを書き込める手帳「部log」を企画した。部活やアルバイトだけでなく、もちろん学業も含め、多忙な毎日を手帳に書き込むことで頭の整理ができるという。

 商品化はともに、昨年12月に開かれた大学生のビジネスコンテスト「Sカレ」がきっかけだ。名古屋市の手帳メーカーが出した「デジタル化時代に必要な手帳」の課題に和歌山大の2チームが取り組み、「留学DIARY」は「手帳」部門の1位に選ばれた。「部log」もメーカーの目にとまり、商品化されることになった。

 4月23日に学内で行われた「部log」の商品発表会で、蓑田さんは「スケジュール管理ではスマホに勝てないが、手帳に書き込むことで情報を整理することができる」と利点を強調した。

 2種の手帳は和歌山大学生協売店のほか、ネット通販で買うことができる。「留学DIARY」は1千円、「部log」は1980円(いずれも税込み)。購入の問い合わせはメーカーの伊藤手帳(052・936・2363)。(寺沢尚晃)