現地時間6月7日16時、ル・マン24時間レースが行われているフランスのサルト・サーキット内に、水素関連のレーシングカーや展示物などを集めた“ハイドロジェン・ビラージュ(水素村)”がオープンした。この展示のなかに、TOYOTA GAZOO Racingがこれまでも使用していたカモフラージュ柄のベールを被った車両が展示されている。

 このオープニングセレモニーはフリープラクティス1のセッション中に行われ、ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長、FIAのリシャール・ミル耐久委員会委員長らが出席。これまでもACOが取り組んできたミッションH24のLMPH2Gプロトタイプや、アルピーヌのALPENGLOWら水素を動力源とするレーシングカー/コンセプトカーが置かれているエリアで、記念撮影などを行った。

 トヨタからは加地雅哉GAZOO Racing Companyモータースポーツ技術室室長が出席。先日のスーパー耐久富士24時間レースで世界初公開されたMIRAIスポーツコンセプトをフィヨン会長らに説明するなど、水素に関するトヨタの取り組みを強くアピールする場ともなった。

 前述のベールを被った展示車両のシルエットは、いわゆるスポーツプロトタイプカーのように見えなくもない。このタイミング、そしてこの展示のなかに含まれていることを考えると、将来的にACO/ル・マンに関連する水素動力のレーシングカーと推測することもできる。

 この車両について加地室長に直撃すると、「トヨタのクルマじゃないかもしれないですよ(笑)」と冗談めかした。記者からの「水素GRカローラには見えないのですが」との問いかけには、「見えませんよね。シャークフィンとか、ありそうな感じですよね……まぁ(詳細は)金曜日に(笑)」とかわされてしまった。

 9日金曜日には、フランス時間9時30分(日本時間16時30分)からACOのプレスカンファレンスが予定されている。このなかで、この車両にまつわる“何か”が、明らかにされそうだ。

《追記》その後、8日夜になってACOが発表したリリースでは、「この“ミステリー・トヨタ”は、金曜日の朝に明らかにされる」と記されている。