アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、F1のスプリントフォーマットの刷新はタイヤの保全を優先していることから、金曜日の1回のフリー走行で「誰がより走らないでいるか」という勝負になっていると考えている。

 スプリントフォーマットのスケジュールでは、金曜日の午前にフリー走行1回目を行った後にスプリント予選に臨み、土曜日にスプリントレースが開催される。この限られた時間のなかで、チームはロングランに重点を置いたセットアップ作業を急がなければならない。

 また今年はスプリントの週末に使用できるタイヤの数が、通常のレースでの13セットから1セット少ない12セットに減った。タイヤの内訳も変わり、ミディアムタイヤが増えてソフトタイヤが減ったが、ハードタイヤの数は変わらない。

 アロンソは、より余裕のあるタイヤ配分が行われれば、チームはFP1で多くの走行距離を稼ぎ、マシンのセットアップを完全に最適化できると考えている。

「FP1は誰が走る量を減らし、誰がタイヤセットを少なくできるかというゲームになるので、タイヤはより多いほうがいいと思う」と、アロンソは先週末の中国GP後にコメントした。

「ファンにとっては残念なことだ。そしてスプリントだ。彼らがショーやオーバーテイクのためにやりたがっていて、競り合いをさせないのであれば、レースはしない方がいいだろう」

 チームは来週マイアミで2戦連続となるスプリントに臨むが、アロンソによると、ここでも「タイヤは未知数になる」という。

「理想を言えば、すべてのタイヤを生かしておくためにFP1を走らずにいたり、ライセンスのペナルティポイントを増やさないためにスプリントレースで走ったりしないでいたい」とアロンソは述べ、中国GPのスプリントでフェラーリのカルロス・サインツとコース上で衝突したときのことをほのめかした。

「もちろん、マイアミでマシンから何かを学ぶ必要があるので、そんなことはしないけどね。でも、考える必要がある。スプリントにはさらなる調整が必要だ」

 メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1が土曜日のスプリント後にパルクフェルメを解除し、チームが予選前にセットアップを微調整できるようしたことは、前向きな進展だと感じている。しかしラッセルは、週末のスプリントでのタイヤ配分に関して、アロンソと同じ考えを持っていた。

「僕はこのフォーマットを楽しんでいる」

「おそらく唯一役に立つのは、フリー走行用にタイヤのルールを変えることだと思う。フリー走行で全員に同じタイヤセットや同じ本数のタイヤを配分することがそうかもね。なぜならフリー走行でやったことが週末の残りの部分に影響を与えるはずはないからだ」

「それが僕が唯一考えていることだ。それ以外のことはかなり満足だった」