6月30日、2024年MotoGP第8戦オランダGP MotoGPクラスの決勝がTT・サーキット・アッセンで行われ、レプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニは17位、ジョアン・ミルはリタイアで終えた。

 また、ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は13位、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は16位でフィニッシュしている。

 土曜日のスプリントより10度低い39度の路面温度で行われた決勝では、スプリント後にザルコが触れていたとおりホンダの4台は全車リヤにミディアムタイヤを選択。フロントタイヤも4台ともにミディアムを履いてグリッドについた。

 スプリントで負傷したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)とロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)が決勝を欠場したことによってスターティンググリッドが繰り上がり、ザルコが17番手、ミルが18番手、マリーニが19番手、中上が21番手からのスタートとなる。

 オープニングラップでホンダの4台は順調なスタートを見せるが、2周目にマリーニがコースアウトして最後尾まで順位を落とす。そこからマリーニは単独の走行が続き、序盤は前を行く中上より1周1秒以上遅いペースで周回。しかし後半急にペースが上がったマリーニは、周りのライダーがタイムを落としていくなかベストタイムを更新する1分33秒259を記録する。最終的にこのタイムはホンダのなかで最も速いレースラップとなった。

 不運に襲われたのはチームメイトのミルも同様で、ポイント圏内を1分33秒台前半のペースで走行していたところフロントのグリップを失い転倒しレースを終えた。

 そして、今回のホンダ勢で唯一ポイントを獲得したのがザルコだ。転倒が相次ぐレース前半でもザルコは1分33秒台のタイムを並べて安定感を見せた。レース中盤で後ろから迫るアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)に一時は先行を許したが、レース残り2周で順位を取り戻し13位でフィニッシュした。

 チームメイトの中上は2周目にザルコの後ろにつけ、その背中を追った。しかしわずかにペースが足りず、その後はじわじわとザルコから離される展開が続く。そのなかでも中上は、チームが話すとおり「タイヤマネジメントに集中」しており、最初の2周と最終ラップを除くすべてのラップタイムを1分33秒から1分34秒前半のなかに収める安定したペースを見せた。レース後半はポイントを獲得したザルコに勝る速さを見せていただけに、次戦ドイツGPに期待がかかる。

■ルカ・マリーニ(決勝:17位)
「僕たちにとってオランダGPは不運が続くレースだった。今日は(ポイントを獲得した)ザルコと戦えるだけのペースがあったが、オープニングラップでアウグスト・フェルナンデスが接触してきて、僕はグラベルに押し出されてしまい大きくタイムをロスした。今日はポイント獲得圏内で戦えるポテンシャルは十分にあったと思う。アッセンのような高速サーキットは、どの部分が重要かを知ることができる。今大会で得たデータは、これからの開発に役立つはずだ。サマーブレイク前のザクセンリンクでは、いいレースをしたい」

■ジョアン・ミル(決勝:リタイア)
「スタートしてからも前進することができて、トップ10を争うグループに加わっていた。後ろのライダーを引き離すペースで走ることができて、周回を重ねるごとにフィーリングもよくなった。今日はほかのセクターで失ったタイムをペースのよかったセクター1で取り戻そうと頑張ったのだが、3コーナーでほんの少しマシンを寝かせすぎてフロントを失ってしまった。僕は常に上を目指すライダーであり、こうして転倒することもある。転倒で今日のレースは終わったが、これから取り組むべき領域が見えてきた」

■ヨハン・ザルコ(決勝:13位)
「ポイント争いは僕たちにとってとても重要であり、昨日のスプリントと比べれば、状況をうまくコントロールできたと思う。今はライバルたちと同じレベルになるために懸命に努力している。今日は何人かのライダーとバトルができた。レースを楽しむことができたので満足している。次のドイツGPが楽しみだ」

■中上貴晶(決勝:16位)
「厳しいウイークでした。金曜日のスタートからいろいろなことにトライしましたが、3日間足踏み状態が続きました。今大会の目標にしていたポイント獲得を果たせず残念です。そういう状況の中でも、13位を獲得したチームメートのヨハン・ザルコ選手が見える位置で走れていたのは、よかったと思います。ただ、ここは得意なサーキットで、3日間走って思うように前進できなかったのでフラストレーションがたまりました。次のザクセンリンクも引き続きセットアップに取り組み、ポイントを獲得してシーズン前半を終えたいです」