プロ野球 最新情報

 プロ野球ドラフト会議には、毎年大きな注目が集まる。ドラフト1位指名に至っては、競合の際にくじ引きを外し、希望した選手の獲得を逃す可能性もある。しかしながら、いわゆる“外れ1位”で指名した選手が大活躍を見せる事例も多くある。そこで今回は“外れ外れ1位”ながらも、大当たりとなった現役選手を紹介する。

 

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近本光司(阪神タイガース)


・投打:左投左打
・身長/体重:171cm/71kg
・生年月日:1994年11月9日
・経歴:社高 – 関西学院大 – 大阪ガス
・ドラフト:2018年ドラフト1位
 
 外れ外れでの1位指名となったが、結果として大当たりとなったのが、阪神タイガースの近本光司だ。
 
 大阪ガスで俊足巧打の外野手として活躍した近本。迎えたドラフト会議では、藤原恭大(ロッテ)、辰己涼介(楽天)のくじを外した阪神から1位指名を受け、プロ入りを果たした。
 

 
 ルーキーイヤーから開幕スタメンに抜擢されると、そのまま中堅のレギュラーを獲得。同年は142試合出場で打率.271、9本塁打、42打点、36盗塁の好成績をマークし、新人王のタイトルこそ村上宗隆(ヤクルト)に譲ったが、盗塁王に輝いた。
 
 翌2020年も不動のリードオフマンを担い、2年連続で盗塁王(31個)を獲得。
 
 さらに2021年には140試合出場、打率.313、178安打、10本塁打、50打点と軒並みキャリアハイの数字。同年は最多安打に加え、ベストナインとゴールデングラブ賞をW受賞。
 
 昨季も故障離脱こそあったが、1番打者として打線を牽引。18年ぶりリーグ優勝、38年ぶり日本一の原動力となった。

山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)

・投打:右投右打
・身長/体重:180cm/76kg
・生年月日:1992年7月16日
・経歴:履正社高
・ドラフト:2010年ドラフト1位
 
 プロ入りは外れ外れ1位指名での入団となった山田哲人だが、3度のトリプルスリーを成し遂げるなど、球界の歴史に名を刻んでいる。
 
 履正社高時代には、3年夏に甲子園へ出場。聖地で豪快な一発を放つなど、強打の内野手として高い評価を得た。迎えたドラフト会議では、斎藤佑樹(元日本ハム)、塩見貴洋(楽天)のくじを外した東京ヤクルトスワローズから1位指名を受けプロ入り。
 

 
 高卒3年目の2013年に二塁のポジションを奪取すると、翌2014年には最多安打(193安打)を獲得。
 
 2015年は143試合出場、打率.329、38本塁打、100打点、34盗塁と傑出の数字。同年は史上初となる本塁打王と盗塁王の同時獲得やトリプルスリーなど、数々の偉業を成し遂げた。
 
 さらに、翌2016年と2018年にもトリプルスリーを達成。2021年には34本塁打を放ち、チームをリーグ優勝、日本一に導いた。
 
 2022年以降は成績が下降気味だが、10年連続での2桁本塁打は継続中だ。

甲斐野央(埼玉西武ライオンズ)

・投打:右投左打
・身長/体重:188cm/92kg
・生年月日:1996年11月16日
・経歴:東洋大姫路高 – 東洋大
・ドラフト:2018年ドラフト1位
 
 160キロに迫る直球を武器にルーキーイヤーからフル回転の活躍を見せた甲斐野央。その後は故障にも苦しんだが、昨季は完全復活を印象付けた。
 
 東洋大時代からその剛腕に注目が集まり、2018年ドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスに入団。外れ外れ(小園海斗→辰己涼介)での1位指名であったが、即戦力と期待された。
 

 
 その期待通り、プロ1年目からセットアッパーに定着。65試合登板で2勝5敗26ホールド8セーブ、防御率4.14の成績を残した。同年はクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズのマウンドにも上がった。
 
 さらに、同年オフに行われた第2回WBSCプレミア12の日本代表に選出され、5試合に登板して世界一に大きく貢献した。
 
 しかし、翌2020年は故障で一軍登板なしに終わるなど、その後は低迷したシーズンが続いた。それでも、2022年に復活の兆しを見せると、昨季は46試合に登板し、防御率2.53をマーク。
 
 オフには、山川穂高のFA人的補償で埼玉西武ライオンズへの移籍が決定。新天地でもブルペンの一角を担っている。

宮城大弥(オリックス・バファローズ)

・投打:左投左打
・身長/体重:171cm/78kg
・生年月日:2001年8月25日
・経歴:興南高
・ドラフト:2019年ドラフト1位
 
 高卒4年目にして侍ジャパンの一員になるなど、球界を代表する左腕に成長した宮城大弥も、外れ外れ1位でのプロ入りであった。
 
 興南高では、1年夏から甲子園の土を踏んだ宮城。最後の夏は沖縄県大会で敗退となったが、高校日本代表に選出されるなど、高い評価を受けていた。
 

 
 迎えたドラフト会議では、石川昂弥(中日)、河野竜生(日本ハム)のくじを外したオリックス・バファローズから1位指名を受けた。
 
 ルーキーイヤーからファームで好成績を残し、高卒2年目の2021年には早くも先発ローテーションに定着。同年は23試合(147回)を投げ、13勝4敗、防御率2.51と大ブレイクを果たし、新人王に輝いた。
 
 翌2022年も24試合登板で11勝8敗、防御率3.16の好成績をマークし、チームのリーグ優勝、日本一に欠かせないピースとなった。
 
 さらに、2023年3月に行われた第5回WBCでは、日本代表の一員として世界一を達成。レギュラーシーズンでも3年連続での2桁勝利(10勝)をクリア。山本由伸とともにオリックス先発陣の中心を担い、リーグ3連覇に大きく貢献した。

吉川尚輝(読売ジャイアンツ)

・投打:右投左打
・身長/体重:177cm/78kg
・生年月日:1995年2月8日
・経歴:岐阜・中京高 – 中京学院大
・ドラフト:2016年ドラフト1位
 
 長らく読売ジャイアンツの課題となっていた二塁のポジションを手中に収めている吉川尚輝。外れ外れ1位での入団となったが、チームに欠かせない存在となっている。
 
 中京学院大時代には、4年時に大学日本代表に選出。同大のOBである菊池涼介(現広島)のプレーを彷彿とさせたことから、“菊池2世”と高い評価を受けた。
 

 
 迎えたドラフト会議では田中正義(日本ハム)、佐々木千隼(ロッテ)のくじを外した巨人から1位指名。
 
 プロ入り後は度重なる故障に苦しんだが、プロ4年目の2020年に二塁のレギュラーへ定着した。同年は初めて規定打席をクリアし、打率.274、8本塁打、32打点、11盗塁の好成績を残した。
 
 2022年には自己最多の132試合出場、打率.277、7本塁打、31打点、16盗塁をマ―ク。また、二塁守備でも2021年にリーグトップタイの守備率(.992)を記録するなど、球界屈指の評価を受けている。

清水昇(東京ヤクルトスワローズ)

・投打:右投左打
・身長/体重:180cm/84kg
・生年月日:1996年10月15日
・経歴:帝京高 – 国学院大
・ドラフト:2018年ドラフト1位
 
 4年連続で50試合以上に登板するなど、セットアッパーとして安定した活躍を見せている清水昇。プロ入りは外れ外れ1位指名という形となった。
 
 国学院大では2年春からエース格となり、4年春には最優秀防御率のタイトルを獲得。迎えたドラフト会議では、根尾昂(中日)、上茶谷大河(DeNA)の抽選を外した東京ヤクルトスワローズから1位指名を受けた。
 

 
 ルーキーイヤーは思うような結果を残せなかったが、プロ2年目にセットアッパーへ定着。同年は30ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎ投手のタイトルに輝いた。
 
 翌2021年には72試合登板、53ホールドポイント(3勝50ホールド)、防御率2.39の好成績を残し、2年連続で最優秀中継ぎ投手に。2022年はタイトルこそ逃したが、50試合登板で防御率1.16と抜群の安定感を誇った。
 
 昨季も不動のセットアッパーとして厳しい台所事情を支えたが、今季は開幕から背信投球が続き、ファームで再調整に。勤続疲労への不安の声も上がっている。

 

 

 
【了】