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 プロスポーツにおいて、チームの指揮を執る監督には大きな責任が伴う。昨季2度目の監督就任となった阪神・岡田彰布監督は、復帰初年度から18年ぶりのセ・リーグ制覇、38年ぶり日本一に導く手腕を発揮。今季から指揮を執る巨人・阿部慎之助新監督らにも注目が集まる。ここでは、就任1年目からリーグ優勝に導いた指揮官を紹介する。

 

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中嶋聡

出身:秋田県
投打:右投右打
身長/体重:182cm/82kg
生年月日:1969年3月27日
ドラフト:1986年ドラフト3位
 
 長らく低迷していたオリックスを見事に立て直し、パ・リーグ3連覇を果たすチームに成長させた監督が中嶋聡だ。
 
 中嶋は、鷹巣農林高校からドラフト3位で阪急に入団。1989年にレギュラーを獲得すると、浮き沈みもありながらチームを支える存在として活躍した。
 

 
 1998年以降は西武、横浜、日本ハムの3球団でプレー。プロ野球タイ記録となる実働29年間の現役生活を終え、2019年からオリックスの二軍監督に就任。2020年シーズン途中から監督代行を務めた。
 
 2021年から正式に監督へ就任すると、2年連続最下位だったチーム25年ぶりのリーグ優勝に導いた。宮城大弥、紅林弘太郎といった若手の成長が目覚ましく、昨季は断トツでのリーグ3連覇を達成した。
 
 今オフには山本由伸のメジャー挑戦、山﨑福也のFA移籍で先発投手陣の立て直しが急務となったが、中嶋監督の育成力と采配を考えれば、上位進出の可能性は高いだろう。

工藤公康

出身:愛知県
投打:左投左打
身長/体重:176cm/80kg
生年月日:1963年5月5日
ドラフト:1981年ドラフト6位
 
 短期決戦で無類の強さを誇った近年のソフトバンク。同球団を率いたのが工藤公康である。
 
 名古屋電気高校(現:愛工大名電)で活躍した工藤は、ドラフト6位で西武に入団。1985年と87年に最優秀防御率、1993年にMVPなど数々のタイトルを獲得した。
 

 
 1995年からダイエーに移籍すると、2000年からは巨人の一員に。最後は再び西武でプレーしてマウンドに別れを告げた。
 
 2014年オフ、ソフトバンクの監督に就任した工藤。プレッシャーをものともせず、2015年9月17日に優勝を果たした。
 
 また、翌年以降は優勝から遠ざかるも、クライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズで見事な手腕を発揮した。2019年・20年は巨人を相手に日本シリーズで2年連続4連勝フィニッシュ。監督としても球界の歴史に名を残した。

真中満

出身:栃木県
投打:左投左打
身長/体重:170cm/75kg
生年月日:1971年1月6日
ドラフト:1992年ドラフト3位
 
 現役時代はヤクルト一筋でプレーし、監督としてチームをリーグ優勝に導いた真中満。優勝決定時、そして退任時のどちらでも見せた涙は、印象に残っているファンも多いだろう。
 
 真中は宇都宮学園高校(現:文星芸大付)から日本大学に進学。リーグ戦で打撃2冠を獲得する実績を挙げると、ドラフト3位でヤクルトに入団。
 

 
 なかなか芽が出ないシーズンが続いたものの、1998年に初の規定打席到達。翌1999年はキャリア初の打率3割(.308)を記録し、晩年は「代打の神様」として多大な貢献を見せた。
 
 2015年からヤクルトの監督に就任すると、2年連続最下位からの優勝を成し遂げ、ヤクルトファンに歓喜の瞬間をもたらした。
 
 ただ、2017年は球団史上最多となるシーズン96敗。同年限りでの辞意を表明した。監督として迎える最後の試合、ビジョンの映像を見て涙したシーンは、監督の辛さを象徴する場面だった。

栗山英樹

出身:東京都
投打:右投両打
身長/体重:174cm/72kg
生年月日:1961年4月26日
ドラフト:1983年ドラフト外
 
 2023年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表を指揮し、見事世界一に導いた栗山英樹。日本ハムの指揮官時代にも結果を残した。
 
 栗山はドラフト外でヤクルトに入団し、同球団で7年間プレー。現役引退後はスポーツキャスターなどを長年務め、2012年から日本ハムの監督に就任した。
 

 
 大谷翔平の育成という大役を任されながら、中田翔らも主力へと成長させ、1年目で日本ハムを優勝に導いた。
 
 2013年は最下位という屈辱を味わったものの、2016年に最大11.5ゲーム差を逆転してリーグ優勝。また、同年の日本シリーズではブランドン・レアードの3本塁打、西川遥輝の逆転サヨナラグランドスラムもあり、日本一を達成した。
 
 最終的に日本ハムでは10年間指揮。その後は日本代表の監督に就任し、14年ぶりとなる悲願のWBC制覇に導いた。

渡辺久信

出身:群馬県
投打:右投右打
身長/体重:185cm/76kg
生年月日:1965年8月2日
ドラフト:1983年ドラフト1位
 
 西武のエースとして活躍した渡辺久信も、就任1年目でリーグ制覇を経験した一人である。
 
 前橋工業時代から大きな注目を集め、1年生から甲子園のマウンドに上がった渡辺。外れ1位ながらドラフト1位で西武に入団すると、2年目に8勝・11セーブを記録。3年目はさらなる飛躍を見せ、16勝で最多勝を獲得した。
 

 
 ノーヒットノーランの偉業も達成した一方、1997年に戦力外通告を受け退団。その後はヤクルト、さらには台湾球界でもプレーした。
 
 2007年オフに和田一浩、アレックス・カブレラがチームを去る中、2008年に監督へ就任。難しい戦いが予想された一方、片岡易之(現:保幸)や栗山巧といった数多くの選手がブレイクを果たし、同年のパ・リーグを制した。
 
 さらに、プロ野球史上8人目の「就任1年目で日本シリーズ制覇」も成し遂げ、激動の1年を最高の形で終えた。

伊東勤

出身:熊本県
投打:右投右打
身長/体重:181cm/84kg
生年月日:1962年8月29日
ドラフト:1981年ドラフト1位
 
 渡辺久信と同じく西武で活躍し、さらには日本シリーズを制覇した点まで共通しているのが伊東勤だ。
 
 伊東は熊本工業で甲子園出場を果たした後、所沢高校に転入。球団職員を経由して西武に入団した。
 

 
 入団2年目から早くも頭角を現すと、3年目からレギュラーを獲得。強肩とリードを武器に長年にわたって一線級の働きを見せた。2003年に現役から退くと、翌年から西武の監督を務めることになる。
 
 2004年、就任1年目の西武は中島裕之 (現:宏之)らといった新しい戦力が台頭。レギュラーシーズンこそ2位で終えたが、プレーオフを制してリーグ優勝。また、中日との日本シリーズも見事に制し、就任1年目で日本一の監督となった。
 
 その後はロッテでの監督も長らく経験し、2017年限りで退任した。

 

 

 
【了】