メジャーリーグ 最新情報

 

今シーズンの大谷翔平はSPOTV NOWで全試合生中継!
U-NEXTから加入で無料トライアル実施中![PR]

 

 昨オフ、大谷翔平や山本由伸を筆頭に大型補強に動いたロサンゼルス・ドジャース。ワールドチャンピオン候補としても注目を集めている。しかし、現地の米メディアは多くの懸念点を指摘した上で、その上を行くチームがあると予想している。そこで今回は、現地メディアの反応とドジャースの下馬評を見ていきたい。

 

主要米メディアのワールドチャンピオン予想は?

『MLB.com』
1位ブレーブス、2位:ドジャース、3位:オリオールズ、4位:フィリーズ
※ドジャース評:ムーキー・ベッツ、ギャビン・ラックスの二遊間を入れ替えたことについて、絶対的な巨大戦力からは予想できないような混乱があるかもしれない。

 
『The Athletic』
1位:ブレーブス、2位:ドジャース、3位:オリオールズ、4位:レイズ
※ドジャース評:ムーキー・ベッツがMVPとなるのは自明の理だ。

 
『ESPN』
1位:ドジャース、2位:ブレーブス、3位 :アストロズ、4位:レンジャース
※ドジャース評:絶対的な戦力を持つ。再度の100勝シーズンは目前にある。しかし、ローテーションに不安を抱くのはもっともだ。

 
『Talkin Baseball Team Profile & Projection』 ※Podcast番組によるファン投票 

1位:ブレーブス、2位:ドジャース、3位:レンジャース、4位:オリオールズ
※ドジャース評:(スター軍団だが怪我などの不安点が多いことについて) 最高点と最小点を見つけるのがむずかしいね

予想システム

 

『Baseball Prospectus PECOTA Projection』 
1位:ドジャース101.1勝, 2位:ブレーブス 100.8勝、3位:アストロズ95.5勝、4位:ヤンキース92.2勝

『FanGraphs Depth Chart Standing Projection』 
1位:ブレーブス97勝, 2位:ドジャース93勝、3位:アストロズ90勝、4位:ヤンキース88勝

 

 
 今オフ大型補強を敢行したドジャースだが、その成果としてMLBトップレベルの評価を受けている。しかし、突き抜けてトップと言うわけではない。ライバルの筆頭候補に挙がるのが、アトランタ・ブレーブスだ。主要メディア媒体ではブレーブスが優勢。予想システムもドジャースとブレーブスに割れている。
 
 その原因は巨大戦力を作り上げてもなお、ロースターに不安点が多い事だろう。どの媒体もランキングのコメントにて「戦力は充実しているけど…」という論調だ。対するブレーブスは打線、投手陣ともに安定感抜群であるという論調だ。
 
 私自身、ドジャースの方が成功したときの最大値が高いが、失敗したときの落ち具合も激しいとみている。ではどの点が強く、どの点が弱点と言えるのか。

ドジャースの野手ロースター

1試合当たりの平均得点数: 5.20 (メジャー2位)
C ウィル・スミス
1B フレディ・フリーマン
2B ギャビン・ラックス
3B マックス・マンシー
SS ムーキー・ベッツ
LF テオスカー・ヘルナンデス
CF ジェームス・アウトマン
RF ジェイソン・ヘイワード
DH 大谷翔平

 

 
 上記は、ドジャースのレギュラー野手による1試合当たりの平均得点数予想だ(参照:)。打線の火力と言う面ではオーバーキルと言ってもよく、フル稼働すれば全員がシーズン20〜30本塁打を狙える。
 
 また、ドジャースの”文化”ともいえる”Plate Discipline”(打席の内容・選球眼)が良い選手が多く、昨季の四球率が平均を下回ったのは新加入のテオスカー・ヘルナンデスのみである。ボール球を振らずにストライクゾーンのボールを強く叩く。結果として、多くの四球を相手投手から奪えるのがドジャース打線の特徴といえる。
 
 このようにパワー・選球眼ともに全打者に備わっているとも言って良いドジャース野手陣だが、守備は弱点となりえる。特にフレディ・フリーマンが守るファースト以外の内野陣が心配だ。サードを守るマックス・マンシーは、昨季守備範囲を測る指標『Out Above Average』でMLB下位4%となる-8を記録した。オフには重点的に守備練習を行ったとされるが、元々アスレチックな選手ではないだけに、どれだけ向上しているかは不透明だ。
 
 今季から正遊撃手となるムーキー・ベッツは本職が外野で、野球界トップのセンスを持っていることは明らかだが、内野の中でも得に高い能力が求められるショートのポジションに、どれだけ適応できるかは疑問が残る。
 
 セカンドを守るギャビン・ラックスは、今季右ひざ前十字靭帯断裂の大ケガから復帰するシーズンであるため、下半身の安定性に不安が残る上に、米メディア『The Athletic』のケン・ローゼンタールが”イップスではないか”と指摘するほどの送球難を抱えている。
 
 ドジャースの至上命題とされるポストシーズンでの勝利には、一つのミスが試合の流れを多く変えることが多いだけに心配である。

ドジャースの投手ロースター

1試合当たりの平均失点予想: 4.48(メジャー7位)
SP1 タイラー・グラスノー
SP2 山本由伸
SP3 ボビー・ミラー
SP4 ジェームス・パクストン
SP5 ギャビン・ストーン
CL エヴァン・フィリップス
SU8 ブルスダー・グラテロル
SU7 ジョー・ケリー
MR アレックス・ベシア
MR ダニエル・ハドソン
MR ブレイク・トライネン
MR ライアン・ブレイジャー
LR ライアン・ヤ―ブロー

 

 
 上記は、ドジャースの投手陣による1試合当たりの平均失点数予想だ(参照:)。先発ローテーションではタイラー・グラスノー、山本由伸、ジェームス・パクストンを獲得するなど大補強を行った。グラスノーとは1億3600万ドル、山本とは3億2500万ドルの大型契約を交わすなど、期待値は非常に高い。しかし、これは無謀な期待というわけではない。
 
 グラスノーは、シーズンフル稼働すればオールスター出場、サイ・ヤング賞も狙える。山本は様々な媒体で新人王獲得の筆頭候補とされており、様々な指標を考慮すればメジャーで無双できる素質を持っている。
 
 ボビー・ミラー、ギャビン・ストーン、エメット・シーハンなど飛躍が期待できる選手も多くいる。すべてがうまく転がれば、メジャー最強のローテーションが出来上がるだろう。
 
 一方で、クエスチョンマークがつくところも多い。グラスノーやパクストンはキャリアを通してケガの多い体質であるところや、山本が期待通りにエース級になってくれるという確証が得られない点。ケガ・スランプで悪いほうに傾くと、そのままローテーション崩壊へ突き進む可能性も少なくないのだ。
 
 毎年のようにドジャースの強みとなるブルペンは、エヴァン・フィリップスとブルスダー・グラテロルの2人が柱となる。ブレイク・トライネン、ダニエル・ハドソンはクローザー経験のある投手で、どちらかをクローザーに据えた上でフィリップスをハイレバレッジな場面や、相手の主力打線にぶつけるというのが理想だ。
 
 先発ローテーションが崩れた際にはロングリリーフ、オープナー、スターターと何でもこなすライアン・ヤ―ブローが控えている。また、ドジャースには毎年のようにエリートリリーバーを作る育成能力があるため、リリーフ投手に事欠くことはないだろう。
 
 心配なのが、主力メンバーにベテランが多いことだ。トライネン、ハドソン、ジョー・ケリー、ライアン・ブレイジャーの4人は36歳以上。急速に球威が落ち込む可能性もあり、その際には若手の台頭や、掘り出し物となる選手の1人や2人が必須になるかもしれない。

 
【関連記事】
ドジャース、高額年俸ランキングトップ10
【打者部門】大谷翔平は何位? MLBナリーグ打撃成績ランキング
日本人メジャーリーガーの歴代最高年俸ランキング

 

 

 
【了】