巨人・萩尾匡也

 本領発揮の予感だ。萩尾匡也は2年目の春季キャンプ、オープン戦を一軍で過ごし、日に日に存在感を増していった。

 3月12日のソフトバンク戦(鹿児島)では左翼ポール直撃の2ランで長打力をアピール。鹿児島遠征中だった慶大の後輩がスタンドで見つめる前で輝きを放った。「周り(の外野手)がいいのはもう分かっている。とにかく自分がもらった打席でしっかり仕事をしたい」と、外野のし烈な生き残り争いで食らいつき、開幕一軍につなげる一発だった。

 慶大から入団した昨季は一軍で11試合の出場にとどまり、16打数1安打、10三振と期待を裏切る結果となった。イースタンでは101試合に出場し、7本塁打、36打点、打率.283の好成績を収めていただけに、「自分がやってきたことを(一軍では)変えていた。自分の芯があいまいだった」と省みた。

 昨秋は台湾のウインターリーグに参加し、17試合の出場で打率.326をマーク。帰国後は矢野打撃コーチの紹介で日本ハムの松本剛に弟子入りし、首位打者獲得経験がある右打者に学んだ。

「2ケタ盗塁」を目標に掲げるなど、打撃だけでなく走塁への意識も高い。「自分のやるべきことをやって、一軍で使っていただけるようにアピールし続けたい」と萩尾。明るい性格でベンチを盛り上げる若武者が、今季こそ一軍の舞台で大暴れする。

写真=BBM