パ・リーグはリーグ4連覇を狙うオリックスを、どの球団が阻止するか注目される。オリックスは生え抜きの若手が次々に一本立ちしているが、山本由伸と山崎福也が抜けた穴をどう埋めるか。エース級の投手をずらりそろえている西武の充実ぶりが目を引く。ソフトバンクは昨季からガラッと顔ぶれが変わる可能性が。パ・リーグ各球団の先発事情を分析してみた。
※◎は当確、〇は有力、△当落線上

オリックス・バファローズ



オリックス・山下

■昨季のチーム防御率2.73(リーグトップ)
◎宮城大弥
◎山下舜平大
◎田嶋大樹
〇東晃平
〇ルイス・カスティーヨ
△エスピノーザ
△齋藤響介
△山岡泰輔
△曽谷龍平
△小木田敦也
 村西良太
 佐藤一磨
 川瀬堅斗

 昨季新人王の山下は「ポスト山本由伸」で、宮城と左右のエースとして期待される。田嶋はコンディションが万全ならきっちり結果を残すだろう。元ロッテのカスティーヨは制球が安定しており大崩れしない。高卒2年目の齋藤はネクストブレークの筆頭候補。育成枠の佐藤、川瀬も大化けする可能性を秘めており、早期の支配下昇格を目指す。

千葉ロッテマリーンズ


■昨季のチーム防御率3.40(リーグ5位)
◎佐々木朗希
◎種市篤暉
◎小島和哉
〇西野勇士
〇メルセデス
△中森俊介
△フェルナンデス
△美馬学
△唐川侑己
△東條大樹
△二木康太
 森遼大朗
 菊地吏玖

 佐々木はシーズンを通じて先発で完走すれば、投手タイトル独占が現実のモノになるだろう。中森は春季キャンプで快投を続けており、開幕ローテをつかめるか。救援から配置転換された東條、唐川、度重なる故障で近年輝きを失っている二木が稼働すれば大きなプラスアルファになる。

福岡ソフトバンクホークス


■昨季のチーム防御率3.27(リーグ4位)
◎有原航平
◎和田毅
〇石川柊太
〇モイネロ
△東浜巨
△大関友久
△大津亮介
△板東湧梧
△スチュワート
 松本晴
 岩井俊介
 村田賢一

 先発で投げられる投手がそろっているが、昨季は規定投球回数到達がゼロ。絶対的な柱がいないのが気がかりだ。ベテランの和田に負担をかけないためにも、大関、板東、救援から配置転換された大津が一本立ちしてほしい。絶対的セットアッパーとして活躍してきたモイネロは先発でも輝きを放てるか。

東北楽天ゴールデンイーグルス


■昨季のチーム防御率3.52(リーグ6位)
◎岸孝之
◎荘司康誠
〇ポンセ
〇早川隆久
〇内星龍
△田中将大
△藤井聖
△古謝樹
△瀧中瞭太
 松井友飛
 辛島航
 高田孝一
 
 絶対的守護神の松井裕樹がパドレスに移籍したため、先発の柱として活躍していた則本昂大を抑えに回す大胆な決断を下した。日本ハムからポンセを獲得したが、先発陣の層の薄さは否めない。大化けが期待されるのが救援から配置転換された内。山本由伸を彷彿とさせる投球フォームの右腕が、荘司とエースの座を争う活躍を見せてほしい。

埼玉西武ライオンズ



西武・武内

■昨季のチーム防御率2.93(リーグ2位)
◎高橋光成
◎平良海馬
◎今井達也
〇隅田知一郎
△松本航
△武内夏暉
△與座海人
△渡邉勇太朗
△青山美夏人
△ボー・タカハシ
 羽田慎之介
 黒田将矢

 高橋、平良、今井と15勝を狙えるエースをそろえ、隅田も成長著しい。力強い直球が売りの松本、大学No.1左腕・武内、サブマリンの與座、本格派右腕の渡邉と先発6枠の座を巡る争いはハイレベルだ。救援から配置転換された青山、ボーも控えており、将来のエースとして期待される羽田が一軍デビューの可能性も。質、量ともに12球団トップクラスの陣容だ。

北海道日本ハムファイターズ


■昨季のチーム防御率3.08(リーグ3位)
◎加藤貴之
◎伊藤大海
◎山崎福也
◎バーヘイゲン
〇北山亘基
△マーフィー
△上原健太
△鈴木健矢
△金村尚真
△根本悠楓
 細野晴希
 黒木優太
 田中瑛斗
 
 新庄剛志監督就任3年目を迎え、先発の層が一気に厚くなった。加藤、伊藤、山崎、バーヘイゲンは確定とみられるが、新外国人のマーフィーも春季キャンプで評価が急上昇している。外国人枠の兼ね合いで起用法をどうするか。金村、根本は近未来のエース候補として期待が大きい。先発ローテの充実で、北山、鈴木が救援に回る可能性も。

写真=BBM