2試合で3得点と打線が低調



慶大は明大に連敗。4カード目にして、初めて勝ち点を落とした[写真=田中慎一郎]

【5月19日】東京六大学(神宮)
明大4-3慶大(明大2勝)

 慶大は明大とのカードを連敗し、勝ち点を落とした。慶大の対明大戦の連敗は、相手エースに主将・森下暢仁(広島)がいた2019年春以来である。

 慶大は明大2回戦で登録25人中22人を起用する総力戦。野手はすべて使い果たし、投手3人が残ったのみ。2点を追う9回裏は無死満塁と見せ場を作り、犠飛で1点差(3対4)とするも、あと一歩、及ばなかった。

「粘りというか……。もったいない。もう少し頑張れた試合。リーグ戦はこういう戦いだと思うので……」。慶大・堀井哲也監督は2時間50分に及ぶ死闘をこう振り返った。

 開幕カードの東大に連勝し、法大には2勝1敗、立大には2勝1敗1分で勝ち点3を挙げた。秋春連覇へ大きなポイントとなる明大戦は、2試合で3得点と打線が低調だった。

「最初の3カード、うまく行き過ぎた」(堀井監督)

 約2カ月に及ぶリーグ戦で、すべて順調に物事が運ぶことはあり得ない。もちろん、勝ち点を奪うことが最高のシチュエーションであるが、相手もあること。敵将の明大・田中武宏監督は「もつれるのは分かっていた。粘り合い。『落とせない』という慶應さんの気迫を感じた」と振り返った。慶大としては、相手にプレッシャーを与えることはできた。

 残すカードは最終週の伝統の早慶戦である。

 第6週終了時点での成績だ。

1位 早大 8勝2敗   勝ち点4
2位 明大 7勝3敗   勝ち点3
3位 慶大 6勝4敗1分 勝ち点3

 明大は第7週の法大戦で勝ち点を4に伸ばすことが、Vの条件。明大が法大から勝ち点を奪取した時点で、慶大の優勝の可能性は消滅する。明大が勝ち点を落とし、慶大が早慶戦で連勝すれば、早大と勝率で並び、優勝決定戦へ持ち込める。堀井監督は力を込めて言う。

「対抗戦の原点に戻って、次の早稲田と戦う」

 慶大はあくまでも、目の前のカードに集中する。どんな展開になろうとも、部員200人は最高潮のボルテージで神宮に向かう。

文=岡本朋祐