4月15日に武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた「京王 presents Wリーグプレーオフ 2023−2024 ファイナル」の会場にBリーガーの姿があった。富士通レッドウェーブのBTテーブスヘッドコーチを父に持つアルバルク東京のテーブス海だ。

 富士通は1勝1敗で迎えた第3戦に勝利。16年ぶりのリーグ優勝を飾った。父親、選手、ファンの歓喜を会場で見届けたテーブスは、国立代々木競技場 第1体育館で開催された17日の千葉ジェッツ戦後、「すごく感動しました。父親がどれくらい悔しい思いをしてきたのかわかっていたので。優勝する姿を見られたのはすごくうれしかったです」と喜びを口に。そして、自身と同じポイントガードを本職とし、試合後に指揮官と熱い抱擁を交わした町田瑠唯についても触れた。

「ものすごく感動しました。(ポイントガードとHCの)信頼性というか。ポイントガードの選手からしたら、夢のような信頼関係だと思います。僕とアド(デイニアス・アドマイティス)HCは1年も経っていませんけど、そういうものを作れたらいいなと思って見ていました」

 次はテーブスがBリーグ制覇をする番だ。すでに「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24」の進出を決めており、次節は東地区首位につける宇都宮ブレックスとの直接対決。残る6試合すべてに勝利すれば、自力での東地区優勝も見えてくる。

「親子で(リーグ)優勝できたら、間違いなく面白いストーリーになります。けど、父親が優勝する前から、自分たちは優勝しか見ていませんでした。自分たちがやることは変わりません。ただ、自分たちもチャンピオンシップに進んでいくなかで、すごく刺激というか、モチベーションになりました」

 A東京は直近2シーズンのチャンピオンシップにおいて、ベストメンバーを組めずに悔しい経験を味わった。A東京加入1シーズン目のテーブスも「一番大事なのはケガなく、いい流れでチャンピオンシップに入っていくこと」とした上で、「目標の東地区1位が残っています。次の宇都宮戦は連勝したいです。毎試合、毎試合を大事にしながら、ステップアップしていきたいと思います」と、レギュラーシーズンの残り試合にも目を向けた

 千葉J戦では6得点2アシストと、シーズン平均スタッツを下回る数字に終わったものの、33分32秒の出場でターンオーバーは0個。相手のプレッシャーをかわし、司令塔として試合を組み立てた。

「ボール運びは自分の役割で、ある程度任されているところなので、自信もあります。そこでまずターンオーバーしないことは、チームが気持ちよくセットプレーに入るための大事な一部。そこは誇りを持って、これからも続けたいと思います」

 町田のように、チームを勝たせられるポイントガードになるためにーー。テーブス海がA東京覇権奪還のキーマンとなる。