愛知県名古屋市港区にあるポートメッセ名古屋にて開催され1万人超の来場者を記録したカスタムイベント「ジョインツ2024」についてレポートします。

進化した中京地方最大級のカスタムイベント

 2024年4月14日、愛知県名古屋市港区にあるポートメッセ名古屋にて開催されたJOINTS(ジョインツ)2024ですが、今年は同ショーにとって新たな一歩といえるものかもしれません。

愛知県名古屋市港区にあるポートメッセ名古屋にて開催された「JOINTS2024」は1DAY開催で1万人以上を動員。今年からクルマのホットロッドのエントリーが増加した同ショーの様子はご覧のとおりです
愛知県名古屋市港区にあるポートメッセ名古屋にて開催された「JOINTS2024」は1DAY開催で1万人以上を動員。今年からクルマのホットロッドのエントリーが増加した同ショーの様子はご覧のとおりです

 2007年に第1回が開催され、新型コロナウイルスの感染拡大によって中止となった2020年を挟み、既に17回目を数える同イベントは、これまで様々な試みを行ってきたのですが、昨年より会場ではカスタムバイクのみならずカスタムカーのショーも併催。

JOINTS 2024会場内には多くのホットロッド・カーが展示されました
JOINTS 2024会場内には多くのホットロッド・カーが展示されました

 同ショーが開催される東海・中京エリアといえばカスタムバイクやチョッパーだけではなく古くから四輪のホットロッド・カーも盛り上がりを見せる地域なのですが、今年はそのカーショーのエントリーも本格的に拡大されました。

 昨年はあくまで一部ショップがゲスト的に参加した雰囲気だったのですが、今年は展示会場となったポートメッセ3号館の約半分がホットロッドやローライダーのカー・カスタムで埋め尽くされ、さながらムーンアイズ主催「YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW」のプチ・バージョンといえる雰囲気。こうした変化が今年のJOINTSの特徴といえるかもしれません。

有料化された駐車場でも並行してイベントを開催

3500台超のバイクで溢れた駐車場では毎年恒例となっているYAMAHA SRミーティングである「SRパニック」とともに今年は「スポーツスターミーティング」も開催。多くのカスタムファンがショーの1日を楽しんだ様子です
3500台超のバイクで溢れた駐車場では毎年恒例となっているYAMAHA SRミーティングである「SRパニック」とともに今年は「スポーツスターミーティング」も開催。多くのカスタムファンがショーの1日を楽しんだ様子です

 また変化といえば今年のJOINTSはこれまで無料だった二輪駐車場が有料化され、そこで恒例となっているYAMAHA SRユーザーを対象としたミーティングである『SRパニック』や、新たにハーレーのスポーツスターユーザーを対象にした『スポーツスターミーティング』が開催されたのですが、そちらも大いに盛り上がった様子。

 バイクの来場者は3500台以上を数えたことからも分かるとおり、有料化の影響も少なかったといえるのですが、すでに様々な催しが行われ、『もうひとつのカスタムイベント会場』となっている駐車場の有料化はショーの運営という観点から考えても適切な処置と思われます。

福島県からエントリーのルシファーがベストロングフォークを受賞。リジッドフレームに長いフロントエンドのコンビネーションはチョッパー永遠の定番です。フロントのダウンスプリンガーフォークや昔気質のインベーダーホイールなどの装着で圧倒的な個性が演出されています
福島県からエントリーのルシファーがベストロングフォークを受賞。リジッドフレームに長いフロントエンドのコンビネーションはチョッパー永遠の定番です。フロントのダウンスプリンガーフォークや昔気質のインベーダーホイールなどの装着で圧倒的な個性が演出されています

 過去を振り返ると様々なショーイベントがバイクの無料駐車場での騒音問題に悩まされ、日本最大のアメリカン・カスタム・カルチャーの祭典といえるYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOWでは2014年からバイクでの来場が禁止され、公共機関の使用が呼びかけられているのですが、それでも熱心なカスタムファンが会場にアシを運び、変わらぬ盛り上がりを見せているということを考えると、ショーの『純度』という部分から見ても今回のJOINTSの処置も致し方ないのかもしれません。

 一日500円で再入場も可能という駐車場料金をひとつのイベント入場料として考えれば、かなりお得なのではないでしょうか。

様々なカルチャーを繋ぐ「JOINTS」

「カスタムと人、様々なカルチャーを繋ぐ」ことをコンセプトに掲げ、2007年に第1回が開催され、これまで2009年の第3回にはステージ上でのライドインショーや第9回の2015年には4輪専門の会場を設け、カーショーとバイクショーを併催するなど様々にショーデザインを変化させてきたJOINTSですが、「時代に応じたショーの変化の重要性」について主宰の高橋充氏も語ります。

2007年から名古屋のポートメッセでスタートし、1万人規模のイベントまで成長を遂げたJOINTSを主催する高橋充氏。時代に応じてショーデザインを変化させ、訪れる観客の皆さんを飽きさせない手腕はさすがです
2007年から名古屋のポートメッセでスタートし、1万人規模のイベントまで成長を遂げたJOINTSを主催する高橋充氏。時代に応じてショーデザインを変化させ、訪れる観客の皆さんを飽きさせない手腕はさすがです

「2007年からショーを開催しているのですが、やはり時代に応じた変化ということは常に意識しています。今回、クルマのホットロッドをショーに取り入れたこともSNSなどで要望が高まっていることを感じたからなんです。

 今は多くのユーザーの皆さんの声をSNSなどで直接、知ることが出来るので、そうした要望には出来るだけ応えるようにしています。

 あと今回からショーの駐車場を有料化したのは、数年前からポートメッセさん自体が駐車場有料化となったことから仕方ない措置だということをご理解ください。これまでショーを運営する上で何とか無料で駐車場を開放してきたのですが、今はポートメッセさんにある5つの駐車場を借りなければいけない状況となっています。

 幸いにもお客様たちからのクレームもなく、スムースな運営が行えたのですが、その分、駐車場でのミニイベント的なものを充実させることが出来ればとも考えていますね。今はSNSなどの発達で時代の流れが物凄く早いので、毎年、同じことは出来ないんですが、出来るだけ多くのお客様を飽きさせないようにするのが、今後の鍵とも思いますね」と高橋氏。

会場の外では『ストリートフードフェスティバル』と銘打ち、多くのキッチンカーが出展。ハンバーガーやタコスなどアメリカンフードが販売されたのですが、賑わいはご覧のとおりです
会場の外では『ストリートフードフェスティバル』と銘打ち、多くのキッチンカーが出展。ハンバーガーやタコスなどアメリカンフードが販売されたのですが、賑わいはご覧のとおりです

 主催の高橋氏が「今年は週間天気予報が晴天続きだったので、多くのお客様が地元の中京地域だけではなく色々な地方から来て下さいました」と語るとおり最終的には1DAYで1万人オーバーを集客し、バイク来場者は3500台を超えたという今回の“JOINTS”。

 我が国、最大のアメリカンカスタムカルチャーの祭典である年末のYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOWが2002年よりモーターサイクルのエントリーが始まり、より大規模なショーに発展したのと同じように本来、バイクショーであったJOINTSもクルマのカスタムを取り入れることでより多くの人、カスタムファン全般を楽しませようとする狙いが見えます。

 この先、どのように同ショーがどのように時代に応じて変化していくのかもカスタム好きにとっては注目です。