米有料テレビ局のライフタイムによる映画「Mommy Meanest」(原題)が、5月11日、アメリカで初放送された。

母親が別人になりすまし、実の娘に対する「ネットいじめ」に手を染めていくという内容は、実際にあった事件に基づいている。

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2021年、ミシガン州に住んでいた当時10代の女の子とその恋人に、見知らぬ人物から嫌がらせのメッセージが届くようになる。

英 インデペンデント 紙によると、平均してそれぞれ1日に12回、メッセージアプリやSNSを通じて「不快」で「憎しみに満ちた」メッセージが送られてきたという。検察と裁判所は、その内容を公開していない。

女の子が母親に打ち明け、母親は警察に相談した。同年12月に捜査が始まり、その結果、メッセージを送っていたのは母親本人だと判明した。

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母親のケンドラ・ゲイル・リカリ受刑者は、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使い、パソコンのIPアドレスを隠しながらネットいじめを続けていた。犯人は娘の同級生なのではとほのめかし、偽アカウントでは10代の別人を装っていた。

2022年12月、リカリ受刑者は未成年者に対するストーカー行為でなど起訴され、2023年4月に禁固19カ月から5年の判決を受けた。現在、同州の特別施設に服役中だが、早くて今年の11月に出所する可能性があるという。

リカリ受刑者は警察に自白し罪を認め、陪審員裁判が行われなかったため、なぜ娘に嫌がらせをしたのか、本当の理由は謎のままだ。担当検察官は当時、「娘に必要とされたかったようだ」と述べている。

動機について、映画ではフィクションで補われた。『コミ・カレ!!』『ヴェロニカ・マーズ』など出演のリサ・リナがリカリ受刑者を演じている。

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