猫は可愛らしいペットとして人気の動物ですが、国や地域によっては古来より神の使いとして崇められてきた存在。
そして、その説はあながち間違っていないのでは……。そんな風に思わせられるような光景が、ここ日本で目撃されました。

その様子を捉えた写真がこちら。そこに写っているのは、空を舞うようにカーペットの上で寝転がっている一匹の猫ちゃんと、それを崇めるように見上げる赤ちゃんの姿。
その構図は17世紀に活躍したイタリア人画家、ルカ・ジョルダーノが描いた絵画『受胎告知(じゅたいこくち)』を左右反転させたものにそっくりです。

受胎告知とは、新約聖書に書かれているエピソードの1つで、神の使いである大天使ガブリエルが、聖母マリアに対して救世主キリストを身ごもった事を告げる場面のこと。
空を飛んでる猫ちゃんはさながら降臨した大天使ガブリエル、そして、それを見上げる赤ちゃんはお告げを聞く聖母マリアのように見える、何とも神々しいワンシーンを捉えた一枚です。

この写真がSNSのX(旧Twitter)へ投稿されると、4,300件を超えるリポストと3.3万件の”いいね”が発生。写真を見たユーザーからは「羽が見える」「ふたりとも天使じゃないか」「教会の壁画にありそう」「ルネッサンス絵画みたい」など、たくさんのメッセージが寄せられて大きな反響を呼んでいます。

あまりにも神秘的で芸術的な光景ですが、一体どのようにしてこのような構図が出来上がったのでしょうか。写真を撮影した猫の飼い主さんに聞いてみると、この日、赤ちゃんのお世話をしていたところ、猫が構って欲しそうに近寄ってきて、いきなりゴロンと横になりヘソ天状態になったと言います。そこで、飼い主さんが少し撫でやると、赤ちゃんが猫の存在に気づいて手を伸ばし、猫もそれに気づいて見つめ合う…という瞬間が偶然にも生まれたのだとか。

その光景を見て「ふたりの距離が近くなってる〜!」と嬉しくなった飼い主さん。すぐさま写真を撮影したものの、「あれ、この構図どっかで見たことあるような…」と思ったことからSNSに投稿。ふたりがこのようなポーズをしたのは今回が初めてのことで、「奇跡の瞬間でした」と当時の様子を振り返ってくれました。

一方、当の猫ちゃんと赤ちゃんにとっては、受胎告知のように神聖な場面とはいかないまでも、互いの心を通わすきっかけとなる出来事ではあったようです。

「赤ちゃんは最近猫のことを認識し始めたばかりで、好奇心からくる行動だったように思います(笑)猫の方は赤ちゃんが手を伸ばしてきたので「ん?どうしたの?」と思って振り向いたけど、もしかしたら撫でられてる感覚だったんじゃないかなぁと思います。」

この後、赤ちゃんの手をそっと触ったという猫ちゃん。残念ながらその瞬間は撮ることができなかったのだそうですが、想像するだけで何とも微笑ましいエピソードですね。