猫が好きな人にとっては、「どんな猫とも仲良くなりたい!」と思うのはごく自然な気持ちです。

お笑い芸人の青木マッチョさんも、そんなネコ好きの一人でした。しかし今月、『キャットフレンドリーパーソン』なる資格を取得して、意気揚々と猫カフェに出かけたところ、猫にまったく相手にされない憂き目に遭ってしまったと言います。

写真の中にいる猫を数えてみると、キャットタワーのてっぺんに1匹、キャットタワー中段のボックスに1匹、そして爪とぎハンモックに1匹。手の届きそうな範囲に少なくとも3匹の猫がいる状況ですが、誰ひとりとして青木マッチョさんとは視線を合わそうとせず、まるで猫からは見えていない存在であるかのような塩対応。猫じゃらしを手にしたまま呆然と座り込む姿にはひっそりとした疎外感が漂っていて、「キャットフレンドリーパーソンになった筈なのに、キャットがフレンドリーに接してくれないのは何故なのか…?」そんな心の声が聞こえてくるかのような光景です。

青木マッチョさんは吉本興業所属の芸人で、お笑いトリオ『かけおち』のメンバー。芸人として活動する傍ら、お笑いコンビ『ニューヨーク』のバンドでドラムを叩いているほか、マッチョ芸人が筋肉トレーニングを教えるジム『クリスタルジム』のパーソナルトレーナーとしても働いています。その一方で、「眼福という言葉は猫のためにあると思っています。」と語るほど大のネコ好き。猫はどこから見ても可愛く感じるし、ずっと見ていられるほど大好きなのに、これまで猫からは好かれない人生を送ってきたと言います。

そんな中で知ったのがキャットフレンドリーパーソンという資格。「この資格を取れば猫も仲良くなってくれるかな?」と思った青木マッチョさんは、通信講座を受講することを決意。送られてきたテキスト教材を見ながら、猫の生態や病気などについてコツコツと学び、試験を受けて見事合格したのが4月10日のこと。講座の教材費は35,000円ほどで、資格取得に要した勉強時間は大体2週間。「猫と仲良くなれるなら安いもんだと思いました。」と当時の心境を振り返ってくれました。

しかし、結果は冒頭で述べたとおりの惨敗。猫カフェに滞在していたのは1時間で、10匹以上の猫ちゃんと触れ合おうと試みたけれど、ほとんど相手にされず、挙句の果てにエサを出しても離れていく始末。資格を取ったという自信が却って仇となってしまったのか、「とにかく悲しかったです。」とショックを隠しきれない気持ちを明かしてくれました。

そもそも、キャットフレンドリーパーソン(Cat Friendly Person)とはどのような資格なのか。講座の主催元であるヒューマンアカデミーのHPによると、猫の身体や健康管理について理解し、愛猫とより良い関係を築くことを目的としていると明記。専用の通信講座を受講してテストで合格ラインに達すると、認定カードを授与してもらうことができます。

キャットフレンドリーという言葉から、どんな猫とも仲良くなれそうなイメージを抱いてしまうのも分かる気がしますが、あくまで一緒に暮らす「愛猫」との関係性に主眼を置いた資格であり、初対面の猫ちゃんとすぐに仲良くなりたいというのは趣旨が少し異なるようです。

それでも、猫についての理解を深めることが、猫と仲良くなるために大切なのは言うまでもありません。今回は撃沈してしまった青木マッチョさんも、少なからず手応えを感じているようで、「結果的に仲良くはなれなかったのですが、猫を見ていて『今こんな感情なのかな』とか、『この子はこういう症状があるな』など、猫に対する理解は深まったと思います。それを踏まえた上で猫と付き合っていくことにより、今までよりも仲良くなれる可能性は高くなったような気がしています。」と前向きな様子。

また、「猫に対する自分の知識が間違っていることに気づいたり、全く知らなかったことまで色々と知ることができました。好きなものを深く知れることは良いことだと思います。もともと好きな動物の勉強だったので、すんなり頭に入ってきて楽しかったです。」とも語り、猫について学ぶことの面白さを教えてくれました。