海外アーティストが加賀市山代温泉の旅館「加賀百万石」を拠点に、加賀の文化や伝統に触れながら、10日間の日程で新たな作品の制作に励んでいる。25日には、同旅館で作品の完成披露会がある。

 国内外のアーティストを招き、滞在中の創作を支援し、地域活性化を図る「アーティスト・イン・レジデンス」の一環。海外アーティストらでつくる「FUSION」が企画し、2017年から山代温泉で開かれている。コロナ禍の影響で19年以来の開催。

 米国を中心に14人が参加。市内のイベントや商店などを訪れ、文化や歴史などを体験し、ダンスや音楽、絵画、写真などそれぞれの分野の創作活動に生かす。

 宿泊する加賀百万石では、旅館の一室を複数のアーティストが協力してデザインする「アーティストルーム」も制作予定。完成後は、一般客も宿泊することができるという。

 17日には、同旅館でオープニングセレモニーが開かれた。参加アーティストの一人、オジ・スターニアスさんは「加賀市と世界中のアーティストがつながることで、素晴らしい作品が生まれることを期待している」とあいさつ。

 同旅館の吉田久彦社長は「住民にとって気付きにくい魅力を、アーティスト目線で発掘してもらい、市民が地域の良さを知るきっかけにつながれば」と話した。(小川祥)