砺波市の砺波えんじゃら節保存会は、地元民謡「えんじゃら節」を次世代に継承するため、三味線の伴奏、唄、踊りの教本動画を作った。動画投稿サイトのユーチューブで見られる。

 伴奏編では楽譜が画面に流れ、動画に合わせて三味線の演奏練習ができる。唄編では歌詞が表示され、歌い方のポイントを解説。踊り編ではえんじゃら節の踊りと異なる「酒田踊り」と「袖しぼり」の踊りも収録し、演者2人が示すお手本を前と後ろの2方向から見ながら動きや所作が習得できるようにした。

 保存会の平野健太理事長(46)と、父の専正(せんしょう)会長が演奏や解説を担当した。伝統文化の保存や継承を支援する文化庁の補助金を活用してDVDも作った。

 平野理事長は「廃れかかっている酒田踊りと袖しぼりの踊りも映像にして学べるようにした。素朴で親しみやすい踊りなので広く知ってほしい」と話す。

 えんじゃら節は戦中、戦後に各地区で途絶えたが、市教委に残されていた唄のテープを基に1985年に専正会長が伴奏をつけ、復活させた。最後まで伝えていた南般若地区の盆踊りで踊られている。 (武田寛史)