江戸時代の袋井宿の名物料理を復活させたご当地グルメ「たまごふわふわ」が売り出されて18年目。袋井市高尾町の山梨屋寿司店では29日、2万食の提供を達成し、市観光協会による記念セレモニーがあった。 (牧田幸夫)

 2万食まであと6食で迎えたこの日、午前11時のオープンとともに注文が相次ぎ、正午前に夫婦で来店した三重県菰野町の小林栄嗣さん(66)とみどりさん(59)が2万食、2万1食目となり、市観光協会の土屋和紀事務局長からクラウンメロンなどの記念品が贈られた。

 夫妻は午前中に可睡ゆりの園、午後からは風鈴まつり開催中の法多山尊永寺を見学。昼食で、たまごふわふわを目当てに立ち寄った。栄嗣さんは「ふわっとして初めての食感。だしが効いておいしい」と話した。

 同店は結婚50周年の店主平岡善一さん(75)と女将(おかみ)の千晴さん(74)が切り盛りする。たまごふわふわは千晴さんの担当で、「知名度が高まり、観光で袋井を訪れた人が食べに来てくれる」と話し、毎月100食は出るという。

 たまごふわふわは、一人前の土鍋で泡立てた卵を調理し、だし汁と一緒にすくって味わう。1813年に書かれた文献に、袋井宿の脇本陣で朝食の膳に乗った記述がある。市観光協会がレシピを再現し、2007年度からまちおこしに活用している。現在5店で江戸時代の味を再現し、4店で創作メニューを提供している。