ゴールデンウィークでにぎわう静岡県島田市内の観光地で、交通誘導の業務にあたっていた60代の男性警備員の男性が、行方不明となっていた2歳の男の子を見つけ、無事保護しました。「このままでは、まずい」。男性警備員のとっさの判断が、最悪の事態を防ぎました。
![](https://newsdig.ismcdn.jp/mwimgs/d/f/-/img_dff40838b47237ab00e908e4cfb1c45c255154.jpg)
静岡県掛川市に住む警備員の久米進さん(66)、2024年5月4日、ゴールデンウィークでにぎわう島田市の観光名所「蓬莱橋」の臨時駐車場で、やってくる観光バスなどの誘導の仕事にあたっていました。
![](https://newsdig.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/-/img_88805d56f5e5f551732f61fd0a74a26a196830.jpg)
その日は、交通量が多かったといいます。車の行き来に注意を払うなか、久米さんの目に飛び込んだのは、靴も履かず、ひとりでとぼとぼと歩く大人の腰ほどの背丈の男の子の姿でした。
「何をしているのかな、おかしいな、ひとりなのかな。車にひかれたら大変だし、危ないし、誰かに連れ去られたら、それこそまずいと思った」
久米さんはとっさに男の子に駆け寄り、声をかけたといいます。
「子どもは『あっち、あっち』としか言わないし、周辺を10分ぐらい歩いた」
![](https://newsdig.ismcdn.jp/mwimgs/b/1/-/img_b153d67b91f92160d4656a0f485138f7242585.jpg)
久米さんは、男の子を抱きかかえると、無線で別の警備員に連絡を取りながら、男の子の家族がいないか、一緒に探しながら歩いたといいます。
ちょうどそのころ、島田警察署に1本の電話が入りました。
「迷わず声を掛ける」
「子どもが行方不明に」
2歳の男の子の家族からの連絡でした。男の子が行方不明になったというのです。事件や事故に巻き込まれた可能性があるかもしれない。署内には緊張が走りました。署員が捜索態勢に取ろうと準備を始めた矢先、連絡が入りました。久米さんからの通報でした。
男の子はこの後すぐ、家族と再会を果たすことができました。けがもありませんでした。
![](https://newsdig.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/-/img_f90e6ebfad0a74ee910385ab772a8a0a213338.jpg)
「親切かつ、勇気ある行動により事故防止に貢献されました。ありがとうございました」
出来事から約2か月、警察は男の子の保護に大きく貢献したとして、久米さんに感謝状を贈呈しました。島田警察署の森昭夫署長は、事件や事故などに巻き込まれていた可能性があったとして、意思疎通の難しい幼い子どもに、やさしく声を掛け、さらに警察に通報した久米さんの“とっさの判断”をたたえました。
![](https://newsdig.ismcdn.jp/mwimgs/0/2/-/img_02df8686fd154a90d5386b9d931ad470236792.jpg)
「早く保護し、早く親御さんが見つかって良かった」と久米さん。今後も「同じような場面に出くわしたら、迷わず声をかける」と話しました。