若者グループがテニスボールを尻に向かって打ち込む動画がSNSで拡散された問題で、中大硬式庭球部は21日、動画が部員たちによる行為だと認めた。問題の動画はTikTokに投稿され、X(旧ツイッター)にも転載されて4月末から拡散。テニスコートで約10人の若者が尻を向けて並んでいるところに数人の若い男性がサーブを打ち込んでいた。尻付近にボールがノーバウンドで命中すると、ガッツポーズなどで大はしゃぎする様子には、SNSでは「いじめ」「暴行」と批判が集まっていた。

 中大硬式庭球部は「部会長・監督」名義で、21日に公式サイトで声明を発表。動画には「痛みに耐えてメンタルを強化する新メニューです!」との文面が添えられたが、声明ではこれらの行為を「レクリエーション・ゲーム」だったと説明。部員たちが「学年や部内役職等を限定せずに9人ごとのチームを編成」して対戦した上で、最後に勝ちチームが負けチーム目がけてサーブを打ち込んだという。

 部員に外傷はなかったとしつつ、「このような行為は、大学スポーツに励むアスリートとして極めて不適切なものであります」と陳謝。関わった部員に厳重注意をしたほか、全部員に対して「ボールを避けることのできない人に向けることの危険性を改めて周知し、当該行為を今後一切しないよう徹底いたしました」と釈明。SNSの利用方法についてもリテラシー教育を実施するとした。

 しかし、Xでは、この行為を「レクリエーション」と表現したことで批判が再燃。「それで鎮火するわけないのに、なんでそんなこと言っちまったのか」「暴力行為をレクリエーションとごまかそうとする幼稚な考え」「大学のオフィシャルとしては最低なやつ」「軟式ならぎりぎりセーフな言い訳になりそうだけど、硬式は完全にアウトだろ」「法学部で鳴らす中央大学がお粗末としか」など、厳しい意見が相次いでいる。