◇18日 「第59回フローラS」(G2・21日・東京・芝2000メートル)追い切り

 美浦Wの向正面。6ハロン標からの駆け出しこそ少し行きたがったバロネッサは、鞍上の津村がなだめるとすぐに収まった。4馬身前には未勝利ながら1勝クラスで時に善戦する4歳馬アイベラ。最初の荒々しさがうそのように、ゆったりしたペースにも全く掛からず、直線まで鞍上の指示を待っていた。そして促されてからは内から滑らかに加速。1完歩ずつ着実に差を詰めてゴールでは半馬身抜け出した。

 11日の1週前にも乗っていた津村の手応えは上々。「2週連続で乗って感覚もつかめました。きょうもいい動き。しまいも良かったですよ。繊細なところがあるみたいだけれど、むしろまったりしたところもあってオンオフがはっきりしている馬です。距離は持ちます。二千でも大丈夫」と胸を張った。

 厩舎が期待しているのは精神的な成長。前走はパドックでルメールが乗りがけでこの馬に振り落とされているが、その点は充実著しい。山崎助手は「3週前に帰厩してからは人の手を煩わせることがなくなっています。見たことのあるものと、そうでないものがきちんと判断できていて大丈夫だと分かったものには驚かないですね」と言い切る。府中は、すでに2度経験。22年のホープフルSを制したドゥラエレーデの半妹という良血が自信満々に樫の舞台への切符をうかがう。