ボクシングWBAフライ級タイトル戦(5月6日、東京ドーム)で初防衛戦を行う同級王者ユーリ阿久井政悟(28)=倉敷守安=が18日、東京都内で練習を公開。同級3位・桑原拓(29)=大橋=戦へ向けミット打ち、シャドーなどで鋭い動きを見せた。

 「4月1日から東京に来て最初は週5日、今は週3日のペースでスパーリングしています。合計100ラウンドいかないぐらいやる予定。順調に来ていて、このままいけばベストに持って行けると思います」と、王者は自信をのぞかせた。

 桑原とは2021年7月に日本タイトル戦で対戦し熱戦の末にKO勝ちした。桑原が所属する大橋ジムの大橋秀行会長も公開練習を視察し「3年前とは別人のように強くなっている。パンチの精度が高く(ユーリの愛称の由来の元WBCフライ級王者)勇利アルバチャコフのようだ。この3年間での成長幅も桑原以上じゃないか。帰って桑原に伝えたい」と警戒心をあらわにした。

 5月6日は世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)の防衛戦がメインイベントだが、ユーリ阿久井―桑原のタイトル戦が日本人選手による「4大世界戦」の初戦となる。開催される東京ドームの前身、後楽園球場は1952年に元世界フライ級王者・白井義男さんが日本人として初めて世界タイトルを取った地。大橋会長は「白井義男さんから伝統のフライ級。ドーム初の世界戦にふさわしい試合だね」と、最後はプロモーターの顔になっていた。