◇27日 春季高校野球三重県大会決勝 津田学園4―1菰野(津市営)

 津田学園が菰野に逆転勝ちし、5年ぶり4度目となる春の王者に輝いた。両校は、5月18日に開幕する春季東海大会(岐阜・長良川ほか)に出場する。3位決定戦は初の4強入りを果たした昴学園が、今春センバツ出場校の宇治山田商を7―4で破った。4校は、今夏の三重大会でシード校となる。

 津田学園が5年ぶりに春の頂点に立った。昨秋の県大会は2回戦で神村学園伊賀に敗れ、夏まで「無敗」で駆け抜けることを掲げて春を迎えた。主将の中村駿亮投手(3年)は「まずは5年ぶりに優勝できて、うれしい」と笑顔を見せた。

 今大会はチームの特徴とする「打って勝つ野球」ではなく、「接戦をものにする野球」がテーマだった。初戦は11―0で快勝したが、いなべ総合との3回戦は延長10回タイブレークの末5―4で辛勝。宇治山田商との準決勝も9回に4―3で逆転サヨナラ勝ち。苦しい試合を乗り越え、決勝も先制を許しながら逆転勝利を収めた。

 準決勝に続いて先発を任されたエースの中村は、6イニング3安打1失点。2回に失策と四球が絡んで1死満塁のピンチを招いたが、1失点で踏ん張った。「ミスをしても誰かがカバーできるいいチームになってきている。その後は3人で抑えよう、と切り替えられた」と逆転を呼び込む粘りの投球を続けた。

 4回には竹内巴琉内野手(3年)の逆転2点適時打などで一挙4得点し、7回以降は2番手の水成柾斗投手(3年)の無失点投球で逃げ切った。佐川竜朗監督は「1試合で5安打と打てなかった中、1イニングで粘り強く点を取ってくれた。何よりもよく守った」とナインをたたえた。

 次の舞台は、2年ぶりとなる東海大会。中村は「夏まで無敗、もちろん夏も無敗でいく気持ち」と頂点だけを目指して戦う。