◇2日 男子ゴルフ 中日クラウンズ第1日(愛知県東郷町、名古屋GC和合C)

 石川遼(32)=カシオ=が5バーディー、1ボギーの4アンダーで回り、首位と2打差の3位につけた。前週の予選落ちから、ショットを修正し、難コースの和合を攻略してみせた。初日トップに立ったのは谷原秀人(45)=国際スポーツ振興協会=で、7バーディー、1ボギーの6アンダーだった。

 収穫は5つ取ったバーディーではなく、耐えてつかんだパーだった。特にインの15、16、17番のパーは、石川にとってベストプレーだった。

 「この大会のテーマは割り切りとやるべきことを貫くこと。それがきょうはできた。いいゴルフだったと思う」。上々の感触で18ホールを終えた。

 和合の攻め方はティーショットを曲げないことが前提。ボールがラフに入った途端、その後のプレーの難易度が数段階上がる。

 15、16、17番はショットを曲げた。特に15番のパー5では、ティーショットで左の深いラフに打ち込み、2打目はアイアンでフェアウエーに置くのがやっと。180ヤード残った3打目をグリーンに乗せて、パーをセーブした。

 「15番は1打目をミスした時点でパーを取りにいきました」。16番のバンカーからの寄せ、17番の難しいラインからのパーパットをすべて成功させた。ミスしたときの「割り切り」を、石川は見事に貫いた。

 パーを取ることの大切さを前週は嫌というほど味わった。予選落ちした2日目、バーディーを6つ取りながらも、スコアはイーブンの70。いくらバーディーをとってもダブルボギーやボギーを打ったら、元も子もない。

 「本当にきょうはパーに助けられました。内容のいいパーを取ることができた。自分の判断を信じてプレーができるか。それをあした以降も貫きたい」

 例年以上に速く仕上がったグリーンにも、培った経験から、数ホールで適応できた。夏を思わせるような晴天。詰めかけた大勢のギャラリーを引き連れ、勝手知ったる和合で石川が輝いている。