【今中慎二の目】◇4日 ヤクルト7―7中日(神宮)

 中日は終盤に打線が奮起して4点差を追いつくと、引き分けに持ち込んだ。この日は開幕投手を務めた柳が2回途中4失点と炎上。「こういう試合になったのは柳の影響」と話した本紙評論家の今中慎二さんだったが、指摘したのは2番手以降のリリーフ陣が喫した失点。ヤクルト・村上に対する2度のアプローチについて「反省する必要がある」と力説した。

 中日は3―4で迎えた4回2死三塁から打者・村上の場面で3番手の橋本にスイッチ。ベンチはあえて左腕をぶつけた格好だが、その橋本は1ボール2ストライクと追い込みながらもボール球を続けて四球。直後のサンタナに中前適時打を浴びて2点差とされた。その後、3―5で迎えた6回2死二塁での打者・村上の場面では、4番手の右腕・フェリスがフルカウントから右中間への2ランを被弾。一気に4点差とされた。

 「あの2つは逆。橋本は勝負しないといけないし、フェリスは勝負するべきではなかった」と話した今中さんは、橋本については「まだ1点差であえて左の橋本をぶつけている。せっかく追い込んだんだから勝負しないといけない」とし、フェリスについては「まだ2点差で一塁が空いている。フルカウントから内角に狙った真っすぐが真ん中に入ったが、無理に勝負するのではなく歩かせてもよかった。同じ四球でも出してもいい四球と出してはいけない四球がある」と話した。

 結局、中日は終盤に4点差を追いついたが、「追いついたからいいという問題ではない。ヤクルト投手陣を考えれば、もっと簡単に勝てた試合。状況に応じて冷静な判断をしないと。バッテリーでそれができないなら、ベンチがはっきり指示をしないといけない。結果論ではなく、最善を尽くしたとは思えない」と振り返った。