ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が4日、大谷翔平から、同監督が持つ「球団の日本生まれの選手の最多本塁打」に並んだ記念に「ギフト」をもらったことを明らかにした。囲み取材で「みんなに報告があるんだ」と切り出すと、「翔平が僕にポルシェをプレゼントしてくれた。今そのポルシェは自分の監督室の机の上に飾っている。たぶん、僕がどんなポルシェの車種がいいのか言わなかったから、素晴らしいおもちゃのポルシェをくれたんだ」と話し、周囲を笑わせた。

 伏線は先週24日のワシントンDCで、大谷が二塁打を3本打った試合後か。最終打席に打った二塁打はオーバーフェンスまであと50センチほどの打球で、監督に並ぶ「ドジャース7号」にあと少しで届かなかった。試合後、監督は「『(打球が)入るな』と叫んだと彼に言ったんだ。もう少し生き延びたね」と冗談を飛ばした。その後、大リーグ公式サイトのフアン・トリビオ記者から「記録が破られたら、ポルシェでももらう?」と聞かれると、監督は「いいね、それ」と即答。ドジャース地元局リポーターのキルステン・ワトソンさんから「ツーシートがいい?フォーシートがいい?」と聞かれると、「中年でストレスもあるから、派手な車がいいね」と返し、笑いを誘っていた。

 こういったやり取りを、大谷が聞いたのかどうかは分からないが、粋なアメリカンジョークで「ポルシェのミニカー」をプレゼント。監督は「翔平が笑いながらやってきたよ」と嬉しそうに話した。

 ロバーツ監督は1972年5月31日、米国から日本に返還された直後の沖縄で生まれ、外野手だった現役時代は5球団に在籍。ドジャース時代には通算7本塁打を放った。大谷は松井秀喜の記録を抜き、日本勢メジャー最多の176号を放った日に「(次は)監督の記録を抜きたい(笑)」と話し、2人の間で「ネタ」にしていた。

 大谷は26日のトロントでの試合前にロバーツ監督との関係について問われ、「最初の1カ月が1カ月だっただけに、僕からしたら、あまり気にしないで欲しいというか、むしろ笑いに変えるぐらいのコミュニケーションというか。そこをグラウンドに持ち込んで欲しくないと思っているし、そこはそこで自分で処理すればいいだけ」と語った。元通訳の水原一平容疑者の違法賭博問題が起きたが、監督とは普通のやり取りをしたいと望んでいる。今回のミニカーのプレゼントも「笑い」を交えながら、大谷流のアプローチと言える。