【荒木雅博の目】◇17日 DeNA2―1中日(横浜)

 中日・涌井秀章、DeNA・東克樹の両先発投手はともに立ち上がりに失点したものの、その後は立ち直った。中日は細川成也の右犠飛で先制したが、DeNAはその裏に牧秀悟と宮崎敏郎の連続二塁打で逆転に成功した。そこから両投手ともに踏ん張ってみせた。

 本紙評論家の荒木雅博さんは「両先発とも立ち上がりはフワフワと不安定だったんですが、お互い、相手が助けたような試合になってしまいましたね」と指摘した。

 横浜スタジアムで9連勝中だった東に対して、中日は序盤、好機をつくり続けた。だが、3回に東を助けるミスが出た。2死一塁、打席に4番・細川の場面で、一塁走者の山本泰寛が捕手・山本のけん制で刺された。

 荒木さんは「東を崩すために、一塁走者として二盗のスタートのフェイクを切ったりして出過ぎてしまった結果だろうから、非難するつもりはない。とはいえ、絶対にアウトにはならないようにベースから出過ぎないように気をつけなければいけない」と言う。

 さらに中日は8回2死一、三塁の好機で、カリステが代わったばかりの伊勢に対して一塁への凡飛球。同点、逆転のチャンスを逃した。荒木さんはカリステの打撃に「カウント1―1から甘めの真っすぐを見逃した。あんな見逃しは珍しい。多少、アタマのなかに変化球があったのかもしれないが、あれを打っていたら…」と話した。

 中日は3連敗で単独最下位に落ちた。借金は今季最多となる「4」に増えた。それでも首位の阪神に4ゲーム差のまま。「私の持つ印象ではあるが、今季はどのチームもミスが勝敗に直結している。投手が好投すれば打てないこともある。今は我慢の時。今季はここまで、しっかりとした野球をしているチームが見当たらないだけに、これからは変なミスをしないことが肝要だ」と荒木さんは話した。